魔法と呪い満ちる国で生き方に迷う。氷の大公×はらへり魔女の偽装結婚!?

 浄化を得意とするはらへり魔女のルネは、聖女と魔術師の斡旋により、恨みを買いまくって呪われた(らしい?)帝国摂政ギュスターヴ殿下の「死の呪い」を何とかするため、彼と偽装結婚をすることになります。
 実は彼、暗殺対策のために自分で料理をする男子で、魔力消費の副作用によりいつもはらへり状態のルネとは利害関係が一致するわけなのですが……。

 素直でちょっと天然な箱入り魔女のルネと、愛憎と陰謀と呪いに晒され続けて「飛んできたハサミを避ける」のが特技になってしまった大公ギュスターヴ。生きてきた環境がまるで違う二人のコミカルで微笑ましいやり取りと、裏に渦巻く泥沼した愛憎劇、あるいは陰謀と。楽しく読めるのにどこかひやりとさせられる、絶妙な加減が魅力の物語です。
 序盤でルネは(爽やか系イケメンに見える)同僚の策略により職場を追い出されるのですが、その背後にも複雑な感情や背景が渦巻いているようで。ルネの幸せは、仕事(魔術)で認められることなのか、愛する人を見つけて共に生きることなのか、それとも美味しい食事とスイーツにあるのか……!? 気になって仕方ありません。

 出てくるキャラ皆、超個性的なのも読んでいて楽しいです。
 ぜひ、ご一読ください。

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