近くにいたらきっと困るんだろうけど、でも会えるところには居てほしい!

クトゥルフ神話というジャンルは、本来なら絶対に勝てない相手(神)に出くわして、どうやって悲劇・惨劇を回避するかということに主眼が置かれると思うんですが、この物語はその逆、この二人ならなんとかなる、勝てる! という心地よい安心感と期待感があります。ただ、現時点(ハネムーン)ではまだ神話生物やその信奉者との戦いを描いているため、今後はもしかしたら神々と遭遇して大ピンチに陥るかもしれません。でも、この二人ならなんとか! なんとかなるのでは!? なんて思っちゃったりして……。

また、バーを舞台をしていることもあり、物語のテーマに沿ったカクテルが登場します。これがまたオトナな雰囲気です。物語の流れに沿って差し出される一杯のグラス。読後に爽やかな印象が残るのは、単に二人がカッコいいだけでなく、優しさが垣間見えるからでしょうか。きっと彼らはこれからも、どんな危険な目にあっても同じ様に強く優しいのではないかと思います。

今後は神裂さんの過去が徐々に紐解かれ、彼の目的や素性が描かれるところだと思うのですが、もう続きが楽しみでしかたないです。

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