中学生というのはとても不思議で特別な時期だと思う。
何気ないものの裏に大きな真実を見つけ出したり、たった一言で全てがわかった気になったり。そういう誤解や思い込みを含めたとても敏感な時期に抱く恋心はきっと、やっぱり不思議で特別なものだと思う。
この短い短編はその一瞬を切り取った写真のようだ。私たちは同じような瞬間をきっと過ごしていて、読んだ時、読み終わった時にふと忘れていた感覚を思い出す。共通に持ち得る苦くてときに甘い、あの空気、あの匂いだ。
そうしてそんな特別でいて普遍的なものを、ミステリー読みの私は
(´ω` 三 ´ω`)どこに伏線が!?
Σ(゚д゚lll)ここ叙述トリックでは!?
と深読みしていたのである。大変申し訳なく感じている次第。
前作の『モザイクアートが殺された!』もとても読みやすくて気持ちのいいミステリ長編だったので、ついつい引っ張られてしまった。
作品そのもののレビューからは外れてしまうけれども、作者さんがまた投稿してくださり、今回こうして新作が読めることが大変嬉しい。