落ちこぼれは、認識すらされないんだ――。
何も持たず、何もかも失った六歳の少年は、崖のどん底で、魔獣に出会う。
食べられると思っていた少年だが、魔獣は少年を食べようとしなかった。
「あのすごい魔獣は、ぼくをエサとしてじゃなくて、『ぼく』として見たんだ」
「ぼくも頑張ればあんな風になれるのかな……」
少年は決意する。生き残ることを。
どん底から、這い上がることを。
過酷な世界で見つける、美しい生と死の姿。
言葉や常識が通じない、凶暴で慈悲深い生き物たちは、弱肉強食の世界で、それだけではないことを証明する。
生き物は、存在を認識することで生きることが出来る。
出会いとは、存在を認識すること。
学ぶとは、武器を持つこと。
変えられない弱さだって、状況によっては強さに変わる。そして、成長することも出来る。
果たして、いつか這い上がる少年の見る世界は、どんな色をしているのだろうか。
「きれいなお姉さんに会いたい!!!」
ワームの襲撃を受け、崖下に一人で落ちてしまった少年。
幼く突出した力もない彼が、様々な困難を義弟たちと力を合わせ、乗り越えていくお話です。
とても読みやすい一人称で書かれており、少年の幼さを表す振り仮名への工夫も為されています。
少年は、力は無くとも、前向きに頑張ろうとする心根が素晴らしく。そこにある物でなんとかしようとし、生きて崖上に戻るという目的のために踏ん張れる根性もすごいのです。感心しつつ、ぐっと力を込めて応援したくなる少年です。
特に推したいのが、彼が崖下で出会い、色々あって共に行動することになる義弟たち! これがまた、嬉しい予想外の感情を与えてくれます。一言で言えば、超可愛い! です。この可愛さは、ぜひとも皆さんに味わっていただきたい!
魔獣の素材が少年の武器になったり、それはいずれ壊れてしまったり、そういうリアルな設定も楽しめる要素かと思います。
戦闘描写も迫力があり、少年の気概、義弟たちとの連携、その死に物狂いの戦いは、実に見応えがありました。
戦いだけでなく、少年の心の成長が物語を通じて感じられるのも嬉しいところです。
お薦めします(^^)!
深い崖下へ文字通り転落し、何もかも失って、文字通り身一つで目覚めた少年――「ぼく」。彼に何があってこういう状況になったのか、詳しくはわからないのですが、村では必要とされない落ちこぼれとして扱われ、すでに両親も亡く……という絶望的な状況であることだけはうかがえます。
目覚めたそこ、崖下の地は、草木に満ち魔獣が闊歩する、ひとの住む場所と何もかも違う世界でした。
生きることも村へ戻ることもあきらめかけた少年の目に飛び込んできたのは、圧倒的な存在感を持つ魔獣の姿。かれらは少年を食おうとはせず、少年は彼らの姿に圧倒され、強い憧れを抱くようになります。
力もなく魔術の素質もない。
それでも、生き抜くために学べることがあるはず……!
子供の身で持ち物はなく、特殊な力も能力もない少年が、憧れた魔獣たちから学んで成長し、崖上の世界を目指す物語――では終わりません。タイトルにある「優秀な義弟」が登場するのは二年目以降なのですが、そこでギャップ萌えというものを存分に味わって欲しいです。
地の文の変化から少年の成長もうかがえますし、成長につれて知識も増えて世界の解像度も上がっていくという、一人称の醍醐味があります。ぜひご一読ください。
短くまとめると、幼少期に崖に落ちた少年の成長物語です。
初めは普通の村人なので本当に弱々です。
いきなり最強になることもなく、地道に頑張っていたのですが、ある魔獣達の戦いで環境が変わります。
ずっと一人ぼっちで、孤独な戦いを繰り広げて居ましたが、この魔獣達の戦いとその結果により、突然ハートフルな物語に(*´艸`*)
もう、ここら辺からは、『きゃわわー!』と心の中で叫びながら読む事になります。
勿論この間にも死闘はあるのですが、読みやすくて明るい雰囲気で、鬱とした物が無く、ストレスフリーで読み進められます!
年明けのマッタリ時間に、ついつい40話まで一気読みしてしまいました。
最新話まで読んでからレビューしようと思ったのですが、ついつい先に書いてしまいました(*´ω`*)✨
前向きに頑張る成長物や、可愛いものが好きな方にオススメです!!
冒頭から突如、崖下へ落ちてしまう主人公の少年。
目の前には巍然として屹立する絶望たる岩肌。
空が半分くらいしか見えない深い底から暗澹たる思いでストーリーは始まる。
フロアには飢えた魔獣たちが跋扈する、絶命ともいえるシチュエーション。どう見ても生きてこの場所から這い上がるのは絶対的に不可能と思えることだろう。
しかし、少年は諦めない。必ず崖上に帰ってみせるという強い意志を宿して剣を握る。
この逆境を乗り越えようと、仲間を従え、経験を積み、力を蓄えていく。
緩急を織り交ぜた逼迫する絶妙な世界観と、死をも恐れない眼差しから紡がれる卓越した筆致。
予想を超える展開に、その先を目で追いかけたくなる不撓不屈のサバイバルファンタジー、ここに降臨。
崖から落ちた。
そこから始まる物語
そこは魔獣の縄張りだった。
一度は生きる事を諦めた少年。
だが、少年はいつしか精神的に強くなった。
少年の成長、強くなっという変化を
ひらがなから漢字表現にしたところが
心動かされた。
繭から出てきたポチを仔犬の様に例えたりプチが居なくなって探すとすぐそばで寝ていたという。
なんともほのぼのさせてくれるそんな場面が満載で絵本でも見てみたいと思った。
今まで出会った異世界作品とは一味も二味も違う読み応えのあるストーリーから目が離せなくなった。
少年の成長もしっかりと見ていたい。
感情移入できるおすすめ作品です。
ぜひ読んでみてください。