『這い上がる』。その気持ちを胸に、少年は崖の上を目指す。

全てを失い、自分には何の価値もない、と思っている少年が、どん底から這い上がる物語。
そしてそれは、精神的なものだけでなく、物理的な距離を示しています。

崖下へと転落し、九死に一生を得た主人公が、自らを鼓舞して盛り返し、崖下で生き延びつつ成長しようとする。
年端も行かない幼子が、これを決意するだけでも凄いのですが、自分がどん底だと理解しつつ、どん底にいるなら後は這い上がるだけ、と思いきれるのも凄い!

その精神性な特異さは、随所に見られて度肝を抜かれます。
主人公の成長性の基盤となっているのも、まさにそこです。
一体どこまで成長してくれるのか、そして崖を這い上がる事は出来るのか。
這い上がった先、待ち受けるものはあるのかどうか……。

どん底からの成長物語を読んでみたい、という方は是非目を通して頂きたい作品です!

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