時代は1876年、舞台はフランス北部。
こうした時代背景を持った作品が少ない事もさることながら、そこでサーカスを題材とした作品も非常に珍しいと思います。
そして、そこで生きる人々、サーカスの熱気、そして各人の服装や舞台裏の小物など、詳しい描写は見事!
至る所にある緻密な描写は、読者を物語へと引き込む材料になり、そして空想の中に広がる世界に現実味を持たせてくれます。
時代からして、女性は多くの我慢を強いられていたもの。
そこでマジシャンを目指す少女は、世間の風当たりや嘲りがあると知ってなお、夢を諦める事無く突き進もうと決心します。
心温まるヒューマンドラマでもある本作は、どこか童話風に感じられる時もあり、時に映画風に魅せられる事もあります。
本作の行き先がどうなるのか、一読者として楽しみな作品です。
気になった方は、是非ともお時間ある時に読んでみて下さい!
19世紀のフランスを舞台に、少女がマジシャンを目指す作品です。
まぁ上記の説明は「あらすじ」に書いてある内容を凝縮しただけですが、ともかく内容もしっかりしてます――と偉そうに言える立場でも何でもないのですが、文章が丁寧で地に足の着いた感じがして非常に好感が持てますね。
作品の中身に関しても、あまり他で見ないタイプの話で(自分の読む範囲が狭いだけかもですが)、その珍しさもあってスイスイと読み進められました。
まだまだ物語の序盤だとは思うので、今読み始めれば追いつくのは簡単だと思いますよー。
以上、応援がてらのレビューでした。
物語は美麗で繊細なサーカス団の描写で幕を開けます。
文章は読みやすく、それでいて言葉の組み合わせが綺麗です。それがこの小説の魅力の一部です。
無論、魅力はそれだけではありません。
主人公であるソフィアちゃんは、働きたい女性に厳しい近代ヨーロッパで夢を追いかけます。父に羨望の眼差しを向け、一生懸命自分の好きなものに取り組む姿は応援したくなります。
まだ始まったばかりで12話までしか読んでおりませんが、今後の展開にとても期待しています。
特にキャラクターの成長が見どころですし、過去が明かされるのも楽しみです。
人間関係でハラハラする場面もありますが、温かい雰囲気の小説を楽しみたいのであれば手に取ってみてください。
最後に、最大の魅力は読者もキャラクターと共に成長できるところです。私は現在高校生で大人にどうこう言われたくない歳です。それでもこの小説を通して得られる学びは胸に響きます。それが創作や読書の醍醐味だと思います。
長くなりましたが、このレビューを最後まで読んでくれた方は是非読んでみてください。
きっと気に入りますよ。