死んだら"おめでとう"を言ってくれ

「あー……お久しぶりです。突然ですけど私の身の上話ってやつを少し聴いてやってはくれませんか。いえいえ、特別不快にゃならないはずの、どこにでも転がってる新鮮味もないほんの十数分くらいで終わるお話ですから」

人生は不幸とまでは呼べず、されど生きる希望も見いだせない弱い『僕』は、いつか訪れる理不尽な『死』を心待ちにしている。

これはどこにでも居る誰かみたいな『僕』の些細な願いの話。




『僕』の本当の幸せとは、いったい何だったのだろうか。