皇帝と悪魔の対話 その2

 なかなかややこしい話だが、具体的にはどうすればよいのか、ですか。

 そうですな……陛下の御用は城や港の建設ですな。

 城や港をひとつ建設する、ということを考えますと、まず、技術者が必要です。

 設計、施工、現場監督、資材調達の責任者や資金繰り担当者等。これらは賦役で集められない人材です。

 賦役で集められるのは、毎年人員が交代しても問題がすくない単純労働者に限ると考えねばなりません。

 ですから陛下はまず、

①建築計画を立てられる人材を集め

②農業生産等に差し障りのすくない徴募の仕組みを作り

③実際に徴募し、労働に従事させる。

 一度集めてしまったら、仮に資材が届いていなくて遊ばせてしまうことになっても、食べさせないといけません。できる限り無駄のない事業計画と実行能力が必要でしょうな。

 そのためには……官僚制度の拡充が必要なのはご理解いただけるでしょう。

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