生きていてよかった、そんな今日を生きていく

時代性や社会性を感じる。
どんな時代や困難があろうとも、生きているうちは精一杯生きなくては、と改めて思わせてくれる作品。

ボランティア活動を勧めてきた友人の明野は、主人公よりしっかりしている。
兄がいるせいかもしれない。

英夫は、一人で抱えすぎだと思う。
すでに負担に押しつぶされそうになっている人間が言っても、説得力がない。
助けて、が言えなくなっていたのかもしれない。

桜お婆さんは、いつから主人公が、孫ではないと気づいたのだろう。
孫の顔を最後にみたのは小学生くらいではないかしらん。
高校生の八城志紋を見、孫が大きくなって会いに来てくれたんだと思ってもしょうがない。
ボランティア八日目の別れ際、「本当に、ありがとうね」と言葉をかわしたときは、八城志紋にお礼を言っていたと思う。
だから、職員の加藤さんに「シモンくんに、もう一度ありがとうって伝えといて」と、言伝を頼んだのだろう。

八城志紋には、今回のことからどんな学びがあったのかをまとめ、大学合格につなげてほしい。

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