◆設定集: キャラクター紹介(モンスター)
設定資料の第三弾。ヒヨスとベア
名前は◆ 現地での呼称 /直訳気味な地球語名(
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◆ リヨカ・ルディヴィ /スニーキングレパード(
◆ ヒヨス ◆
性別: メス
体長: 頭と胴体だけで二メートルほど、尻尾はそれ以上の長さがある。
外見:
真っ白な毛皮に灰色の
絶滅動物サーベルタイガーのような長い犬歯と、非常に長く自在に動かせる尻尾を持つ。
二本の犬歯は、下方ではなく、やや前方へ突き出し、
ストーカーと比べると、ヒヨスは一回りほどサイズが小さく、毛並み、爪、牙……それぞれが綺麗に手入れされている。表情は柔らかく猫っぽい。体付きも丸みを帯びていてふっくら。
主な能力:
【
数秒間じっとしていることで透明化が可能な風属性の固有
雪景色の中では完全透明化。そうでない環境では、動くと半透明の姿を視認されてしまう。
【
空気を踏んで浮遊移動が可能な風属性の固有
常時発動型スキルだが、地面から離れると制御が
【
空気の微細な振動を感知し、周囲の詳細な情報を得ることが可能な風属性の固有
解説:
雲上の尾根において生態系頂点に君臨する四魔獣の
能力が奇襲と暗殺に特化しているため、通常の戦闘に持ち込むことさえできれば、そこまでの強敵ではない。当然ながら、チートなしで易々と倒せるような相手でもないが……。
常に一体だけが存在し、倒された場合、特定の場所に大きな卵が生じて一定時間で復活する。
こうして新たに生まれた個体は、実は親子などではなく同一存在であり、ある程度の知識――記憶にあらず――までをも継承していく。ただし、その後の成長過程において習性や性格などは多少変化するようだ。
ちなみに、ストーカーがすぐに
ヒヨスの命名は月子。幻覚や浮遊感覚を伴う向精神作用を持つ毒草の名だったりする。
元々、サバイバル安定時点でのマスコット投入は予定にあったものの、どんなキャラにするか未定だった。ヒヨスにしたのは正解だったと思う。ただ、
「この異世界で僕が初めて戦ったモンスターだ。改めて思い返すも身震いしてしまうよ」
「その節は本当にお疲れさまでした。ヒヨスも少し困ったところがある子ですね」
「なにげにイイ性格をしているからなぁ。そこも含めて可愛い奴だとは思うが」
登場回(ストーカー戦): 第一部 第二章 第十六話「
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330665609937646
登場回(ヒヨス): 第一部 第四章 第二話「二人の新生活」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330666329458866
※都鳥さんに描いていただいた応援イラストがあります。子猫時代のヒヨスです。
近況ノート: https://kakuyomu.jp/users/proetos/news/16818093078435426742
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ コルホア・バイシュトフ /アルパインピークベア(巨大グマ) ◆
◆ ベア
性別: オス
体長: 三メートルを超える巨体。四脚での体高でも二メートル近い。
外見:
漆黒の巨大グマ。そのサイズを除けば、姿形は地球に棲息しているヒグマなどと大差ない。
長く鋭い牙と爪。棲息地が極寒の高山であるため、毛はかなり長くふわふわとしている。
巨大グマと比較すると、ベア吉は体長二メートルほどでまだ相当小さめ。毛並み、爪、牙……それぞれが綺麗に手入れされている。毛皮の手触りは最高。体型はずんぐりむっくりで丸っこい。緊張感のない顔立ちはぬいぐるみのようである。
主な能力:
【
周囲の岩・石・土などを操ることが可能な地属性の固有
精霊術のように自在に操作できるわけではなく、ある程度、決まった形状に変えられるだけ。
攻撃用の杭や
【
大地の上にいる限り、
裂傷が見る見るうちに塞がり、数時間ほどで跡形もなくなってしまう驚異的な再生能力を誇る。死からの蘇生も可能。ただし、負っている傷の状態によっては無効となる。蘇生した場合でも、しばらくはすべての能力値が大幅に低下し、その間に再度死亡してしまえば蘇生不可。
解説:
雲上の尾根において生態系頂点に君臨する四魔獣の
それらの中では最強の存在であり、長きに
スキルを見るとやや地味だが、攻撃力と防御力の圧倒的な高さを始めとして付け入る隙がない。
まだまだ子どものベア
常に一体だけが存在し、倒されると特定地点で卵として復活するのはストーカー同様。
巨大グマはストーカーと違って見せ場がなかったため、ベア吉の影が薄くなることを
生き返らせるかどうかは執筆直前まで本当に迷っていたのだが、やっぱり正解だったかな。
「実際に戦ったわけではありませんので、まったく悪い印象がありません」
「ああ、巨大グマには大いに助けられたし、ベア吉の頼もしさは言うまでもないからね」
「ベア吉は本当にいい子です」
登場回(巨大グマの死体): 第一部 第二章 第三話「寝覚めと覚醒」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330665609937646
登場回(ベア吉): 第一部 第四章 第二話「二人の新生活」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330666329458866
※都鳥さんに描いていただいた応援イラストがあります。子グマ時代のベア吉です
近況ノート: https://kakuyomu.jp/users/proetos/news/16818093075871154151
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ レヤープ /アイスツリー(
外見:
幹から枝の先まで厚い氷で完全に覆われている樹木。
樹高は雪面から
根は地面だけでなく、積もった雪の中にまで伸びる。
氷の下の樹皮は意外と瑞々しい色を保っている。
葉、花、
果実の見た目は、緑色をしたココヤシの実かマンゴーといったところ。
解説:
この世界の最高峰付近にのみ生える氷漬けの不思議植物。
まとった氷で陽光を収束させ、樹皮によって光合成している。材木としてはコルクに似る。
実はモンスターの一種なのだが、特に何をするでもなく、生態は普通の樹木と変わらない。
雌雄があり、周囲に子を
氷果の中身は割ってみるまで分からないフルーツガチャ。ランダムで様々な味が出てくる。
温度を加えることでシャーベット~果汁たっぷり~スープと果肉の状態も変化していく。
この極限環境下で、まだ狩猟も行えていない主人公たちを序幕開始時点まで生き長らえさせるために登場したご都合主義の万能食料生産器。月子の携帯食が尽きて以降、唯一の甘味。
「全部で何種類くらいの味があるんだろうか」
「よく同じ味が出てくることを
「百個くらい
「…………」
登場回: 第一部 第二章 第十二話「雪原で採集する男」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330665614837256
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ バイシャニス /アルパインヘアー(ウサギ) ◆
見た目だけで言えば、何の
実は普通のウサギではなくモンスターに分類される。
逃げ場が無くなるほど追い詰めると鋭い前歯で反撃してくることがあるため注意が必要。
真っ白な毛皮は雪景色に溶け込む自然な保護色。雪に潜って身を隠すこともできる。肉は美味。
「野生のウサギがこんなにも素早いものだとは知らなかったよ」
「ええ、瞬間移動や分身には驚かされてしまいました」
登場回: 第一部 第三章 第一話「雪の尾根を巡る二人」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330665964604992
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ ピタヤン /モールクエル(ギザ歯のウズラ) ◆
体長三十センチ弱のウズラに似た野鳥。ただし、クチバシには歯が生えている。
ウサギ同様、一応はモンスターの
深く積もった雪の中、モグラのようにトンネルを掘りながら生きている。
クチバシの歯は凍った雪を一瞬で欠き削ることができるほどの強さがあり、
肉は非常に美味。雪かきのために発達した
「これで見た目以上に食いでがあるんだ」
「
登場回(言及のみ): 第一部 第三章 第一話「雪の尾根を巡る二人」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330665964604992
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ ソウナガック /チャージグレイド(ボウリングムシ) ◆
外見:
ダンゴムシのような青みがかった黒い甲殻に覆われている、体長二十センチほどのクマムシ。
日本の鎧武者を思わせる多節の甲殻には、鋭い突起が前から後ろまで数列になって並ぶ。
胴部の下に三対六本、腹部の先に一対二本、合わせて四対八本の太く短い
主な能力:
【
精霊術を無効化する固有
正確に言えば、不自然な働きをしている精霊を平常に戻すような効果がある。
甲殻に宿る常時発動型スキルであり、死んだり、
解説:
谷底や洞窟など、雲上の尾根のそこかしこにコロニーを作っている虫型モンスター。
非常に硬く、精霊の働きを完全に中和可能な甲殻により、あらゆる自然環境下で生存可能。
ダンゴムシじみた見た目通り、完全な球状に丸まることができ、
群れを成して広範囲を探索し、雪や岩石、生きている獲物などを除き、見つけた物を手当たり次第にコロニーまで持ち帰ってきては解凍・分解していく。そうして採集物が得られなくなれば群れごと他の場所へと移動するが、後に残された豊かな土壌には多くの植物などが繁殖し、また別のコロニーや生き物たちのオアシスとして利用されていくこととなる。
「精霊術の効果を消されてしまうのは、とても困ります」
「ややもすると【
登場回: 第一部 第三章 第四話「谷の底、拾い集める二人」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330666018854590
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ マリイタ・トゥルジス /フラッドサージウーズ(
性別: なし
体長: 不定形だが、まとまった状態でざっと七メートル以上。体高は
外見:
表面を虹色にぬらつかせる黒い粘液の塊。
真っ黒というわけではなく、うっすらと内部が透けて見える。
主な能力:
【
物を溶かし、その粘体の一部に変換することが可能な水属性の固有
ただし、生き物の骨や金属などには効果が薄く、溶かすまでには相当な時間が掛かってしまう。
強力な溶解液として噴出することもできる。
【
ダメージを負って失われた粘体を瞬時に再生することが可能な水属性の固有
元の体積以上にはできず、分裂のために自ら切り離した場合には効果がない。
【
粘体の一部を切り離し、分体を生み出すことが可能な水属性の固有
分体のサイズは一メートル程度に限られるが、生み出せる数は本体の体積が許す限り無制限、それぞれ自律して行動でき、スキルも自由に使用可。
ただし、一定時間内に本体と融合しなかったり、分裂した状態で本体が倒されてしまった場合、分体はすべて
解説:
雲上の尾根において生態系頂点に君臨する四魔獣の
深く積もった雪の奥底、地中の広範囲に
と言っても、いきなり全身を出現させることは滅多になく、大抵はまず蛇のようにうねる触手だけを伸ばして攻撃してくる。
その長さは軽く二十メートル以上に達し、質感は硬いゴムのよう、威力も凄まじいものがある。加えて腐食属性であるため、受けただけでも武器や防具を劣化させてしまう。
ちなみに、特に火属性が弱点ということはない。他の属性と比べれば普通に効くというだけ。
巨大グマ&ストーカー同様、本体は常に一体のみ、倒されれば卵の状態で復活する。テイム可。
そろそろ異世界ファンタジーらしいモンスターを……と登場させてみた。
当時、まだ四体四属性の中ボスという設定は無かったので、他の三体と並べると浮いている。あまり水属性っぽくないし、能力もなんとなく地味である。ヌッペラウオに対して詰んでる。
話は面白く書けた気がするので、なかなか良い敵役だったんじゃないかとは思う。
「つくづく不思議な生物だと思う」
「忘れてしまいましょう。もう関わりたくありません」
「あ、ああ……」
登場回: 第一部 第三章 第五話「二人と土笛の音」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330666074458567
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
◆ アンセラミー /ヘイルスティンガー(ユキハジキ) ◆
外見:
体長十センチほどのクリオネに、ハチドリやホウジャク(昆虫)を足したような印象。
氷のように白っぽく透き通った
小さな翼を高速で羽ばたかせて空中をホバリングしている。
主な能力:
【
直径
子どもがフルスイングで投げてくる小石くらいの威力がある。
解説:
数百から千匹単位の群れを作り、地面に降り立つことなく延々と谷間を飛び回るモンスター。
その様子は、遠間からはまるで雲か
雪が深く積もった場所を見つけると、群れで一斉に氷弾を放って
こいつらが通った場所には
「実は、あちこちで
「カーゴで移動する際には十分な注意が必要ですね」
登場回: 第一部 第四章 第九話「山から山へ、二人と二頭」
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330666329557255
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◆ カーカドマ・ワギラジュネ /ツインズヘリオンサラマンダー(ヌッペラウオ) ◆
性別: 雌雄同体
体長: 五メートル近いが、およそ半分ほどが頭の大きさ。
外見:
盲目の法師――
頭部は赤黒くゴツゴツした質感だが、胴体は
主な能力:
【
炎を生み出し、相当な自由度を
ただし、使用時には周囲に熱源が存在しなければならず、その熱エネルギーを大量消費する。
【
あらゆる火属性ダメージを無効化することが可能な固有
【
障害物を無視して周囲数百メートルの温度を知覚可能な火属性の固有
通常の視覚とはまったくの無関係に使用可。
解説:
雲上の尾根において生態系頂点に君臨する四魔獣の
火山地帯の主であり、普段は地下の溶岩溜まりで眠りに
自身の狩り場に近付いてきた生物を
その場の逃走はさほど難しくないが、地中の空洞や水脈・溶岩流を伝って追いかけてくるため、逃げきることは至難。昼夜を問わず、火球を撃ち込まれる羽目に
戦う場合でも、不利になると溶岩に潜って逃げるため、倒しきるのが困難という面倒な相手。
ある程度、得意の射撃戦に付き合いながら隙を
例によって常に一体のみが存在し、倒されれば卵の状態で復活する。テイム可。
比較的、
戦闘が非常に長くなってしまい、作者のことも大いに苦しませてくれた。
「こいつは、とんでもない強敵だった」
「冷静に思い返すと、もっと安全な戦い方があったかも知れません」
「カーゴビートルに乗った状態でなければ、生身だったら多少は楽だったんじゃないかな」
「はい、カーゴで戦うのなら、ヒヨスとベア
余談:
そう言えば、カクヨムのコメント欄にて、精霊術【耐火】というアイデアを書いてくださった方がおりまして、それだけでヌッペラウオを完封できそうな予感に
第一に、
第二に、カーゴ車内で常用している【
第三に、切り札である上空の水球を制御することに全力を傾けていたという事情もあります。
……うーん、ちょっと苦しいですね。あえて使わない理由にはなっていませんか。
実は使っていたが、使っていてもあれだけの被害が出た……ということにしておきましょう。
登場回: 第一部 第四章 第十一話「気になる
https://kakuyomu.jp/works/16817330663201292736/episodes/16817330666629273261
************************************************
まだ
設定集は以上! こんな駄文にお付き合いいただき、ありがとうございました!
……現地語名称なんて間違いなく本編中では使いませんから、どうか適当にお流しください。覚えにくいし、統一感無いですし、削ろうかとも思ったんですが、どうにも貧乏性で。
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