AIとの恋愛物語「コメディタッチ」なのに「シリアス」で「哲学的」な小説

AIとの恋愛物語です。ただ、AIヒロインといってもAIという感じではなく、ちょっと幼い印象を受けるヒロインでして、コメディタッチな印象を受けますが、物語の後半には‥‥、といった感じの物語です。

ちなみにこの小説のテーマは、オントロジー、つまり、存在論になります。デカルトを例にだして話をしているものの、この小説はそれにはとどまらず、プラトンのイデア論的な論調で話しているところもあれば、ハイデガー的な視点で話を展開しているところもあり、哲学的には非常に面白い視点がちりばめられていて、哲学が好きな人は後半にいけばいくほど、楽しさを感じてくれるのではないかと思います。

筆者は、中高生向きとおっしゃってますが、いやいやそうではなく、充分大人も楽しめる、そして読み終わった後、人生について考えさせられる内容です。ちょっとネタバレしちゃいましたが、私は面白いと感じた一冊です。

そして、作者さまも言及している通り、ラストはなかなか……なので、最後まで読んで欲しい作品です。

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