終章

廻る者たち

 夜の帳が降りる頃、彼は帳の境界の寝台で目を覚まし、世界の歯車として生き始める。


 宵闇を告げた夜宵王は勿忘草の庭を抜け、月詠姫に逢いに今宵も彼女の眠る天蓋宮へと足を運ぶだろう。



 彼は世界に宵闇を齎す者。



 かの者の名を――夜宵王と云う。

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夜の帳が降りる頃に KaoLi @t58vxwqk

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