料理に注目

 人間という歯車の形には規則性が無くて、完全に合致する存在というのはあり得ないです。でもどこかでひっかかることはある。

 マジョリティであることを普通と呼ぶとして、そうあることは良い事なんでしょうか?良いか悪いかの基準も曖昧です。それが幸せなんでしょうか?

 この物語はなかなかに触れにくい要素を扱って、そういうテーマを紡ぎ出しているように感じます。前作にはミステリー要素がありましたが、本作は人間ドラマです。

 ただ読まれる方は是非前作「イソヒヨドリの町で」から先に読まれることをお勧め致します。

 私の稚拙な表現力では、すぐにネタバレになってしまうのでここでは本筋と違う事を書いておきます。『料理に注目』です。九州のおいしそうな素材を生かした料理がたくさん登場します。

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