エピローグ
あの日の私へ
良く削った鉛筆を持つ。最近シャープペンばかり使っていたから、この鉛の匂いが懐かしく思えた。
さて、何から書こうか。
気持ちは晴れ晴れとしていて、試し書きした言葉たちは踊り出すよう。
深く息を吸い込んだ。
これまで閉じ込めていた気持ちに、ごめんねと謝る。
見ないふりをしていたよね、暗くて狭いところに閉じ込めていたね。
でも、大丈夫。
一つずつ、丁寧に。
気持ちをのせた葉っぱには、命が宿るから。
えんぴつが柔らかく白地の紙の上にこころの種をまいていく。
そこから若い芽がでて、私の秘めていた気持ちが花咲く。
「静葉、そろそろ出るよ」
「うん、今行く」
書き終えた手紙に封をして、最後にこの気持ちが届くように、と祈りを込める。
大切にしまうと、私は部屋を出た。
私や、大切な人や、たくさんの人に。
言葉の祝福が降り注ぎますように。
私のこころの綴り方 ミズキ @Iolite_g
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます