概要
その日 天秤は上下する
努力が報われたあの日、男は友を見捨てた。其の選択が齎す結果など───当時"全てを手に入れた"男にとっては、考えるまでもない事柄だったのだろう。
人間の欲は時に何かを見誤る。それ故の因果応報物語を至極鮮やかにお見せ致します。
人間の欲は時に何かを見誤る。それ故の因果応報物語を至極鮮やかにお見せ致します。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!『死』に寄り添った文豪たちへ贈るこれは現代のレクイエム
新潟は、寂しい町だという。
従兄弟が婿となり、新潟へ行き、警官となった。
その母なる人は、新潟の駅に降り立った時、泣いたと言った。
こんなさみしい町に。
近年のデータを確認してはいないけれど、自死率が最も高い県のひとつだという。
伯母はその地を踏んだとき、それを肌に感じたと言った。
カクヨム甲子園2023
賞を獲った若き書き手たちの小説をいくつか読んだが、偶然にも私が言葉を遺したいと思ったそのはじめのふたつが、新潟によるものだ。
まずタイトルが素晴らしい。
全体から、そして最後の一行から、芥川を想う人はとても多いだろう。
「友」の「死」
喪う存在は、形あるものばかりでは…続きを読む