概要
ある朝、不可解な夢から目を覚ますと、パジャマがぐっしょり濡れていた。
クラスメイトの高槻夏乃は虚言癖のある頭のおかしい男だ。毎日さまざまなホラ話を披露しては先生までもを虜にしている。──何らかの特殊な話術を用いた詐欺師に違いない。そう考えた僕は、高槻の秘密を暴くべく奔走するようになる。僕は高槻が嫌いだ。僕よりもずっと頭が悪いくせに、僕に無いものを全て持っているから。絶対にこの男が人気者であることを認めたくない。どうにかして鼻を明かし、その人気を失墜させてやりたい。こうして僕は秘密裏に作戦行動を開始した。
ちょうどその頃、僕は毎晩不可解な夢を見る様になった。夢の内容はとんと覚えていないが、毎日決まって全身びしょ濡れになって目が覚める。そしてそんな日は決まって、どこからか潮の香りがするのだった。
ちょうどその頃、僕は毎晩不可解な夢を見る様になった。夢の内容はとんと覚えていないが、毎日決まって全身びしょ濡れになって目が覚める。そしてそんな日は決まって、どこからか潮の香りがするのだった。