第8話 めでたし!

 ◇おまけ◇




「あの、あのね、セスト。さっき何をうれいているのかって、聞いてくれたでしょう?」

「え、はい」


「それなんだけどね。私、今世では女の子だけど、いいのかなって」

「??? すみません、おっしゃっている意味がよく……」


「地下室の家系図で見たの! 王家につながる子孫の名前、全部男性名だった! 前世の私は男の子で、セストもそんな私を好きになってくれたんだとしたら──」


「まっ、待ってください。ベアトリーチェ嬢! 姫殿下の前世は間違いなく女性でしたよ? というか俺、ずっと"姫"殿下ってお呼びしてましたよね?」


「で、でも、愛称か何かかと……。だって家系図の名前……」


「間違いなく王女殿下でした! オーロ王家では直系に、男性名をつける習慣があったのです。それにアンドレア様は、男性にも女性にも通じる名で、なんらおかしなことはありません! 俺はノーマルです!」


「アンドレア……。そう、アンドレアという名前だったのね」


「ベアトリーチェ嬢……。もしかして俺は、とんでもない誤解をされていたということでしょうか……?」


「…………。大好きよ、セスト!! 魔獣でも王陛下でも、どんな姿でもあなたが好き!!」


「! 俺もです、ベアトリーチェ嬢! どんな貴方でも大好きです!!」





 めでたし、めでたし。なのでした。

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時戻りの公爵令嬢は、婚約破棄を望みます。 みこと。 @miraca

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