たわやかに 典麗たるを 映す恋 震えし想い あまたの名残    

僕はこの物語を読んで、筆者様の力量に驚愕致しました。それは知識や感性は元より、さらに構成や筆力の秀逸さを越え、ある点おいてさらに尋常ではない力量をお持ちだからです。

さて、物語で最重要点とは何でしょう?

現在の創作の世界では「キャラクター」だと言われております。勿論、異議を唱える事ではございません。でもね、実は重要なのはその先なんです。

大切な事は、誰も教えてくれません。

でも今日は少しだけ書きたい気分、だからその先について少し触れます。

その大切な事のひとつ、それは「ケミストリー」なんです。「キャラ」が重要である正しい意味とは、キャラとキャラがぶつかった時に生まれる煌びやかな輝きにこそあります。そして、その巧者だけが物語を生かし魅了する、そんな大事な小説技法のひとつなのです。当たり前で難しい事。その「ケミストリー」を起こせないキャラ同士の物語は、残念ながら読者を魅了する事など不可能でしょう。

ゆえに、こちらの物語はその点において、元々から秀でておられる稀有で圧倒的な筆力がさらに華開き、魅力的な登場人物が幾重もの想いのままに交差すると、その深度と情感が、時に美しく、時に優しく、時に狂おしく、時に切なく、時に激情を孕み、さらには心が激しく震える程の「美しさ」に満ち溢れ、その素晴らしい余韻が読み手に深く染みわたり忘れ得ない、そんな得難いものでございます。

心奪われるとは、まさにこの筆者様の紡がれる物語にこそふさわしい言葉であると僕は思います。

お勧め致します

煌めく才能、その輝きは天蓋に遥か昔より輝く美しい星々の様に、時を経ても尚色あせない「人の持つ想いの深淵」へと到達しておられると思います。長々とレビューする必要もない程の、才気溢れる筆者さまの素晴らしき物語です。

皆様、宜しくお願い致します( ;∀;)




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