「日常の謎」は、10代の日々を一層青く色づける。

全54話、読了しました。
いやあ、と〜ってもおもしろかったですよ!
物語の中で「ここが見せ場」っていうシーンがいくつかありましたが、その全部で主人公の矢口くんのかっこよさに胸を鷲掴みされてしまいました(≧∇≦)
謎解きしてる矢口くんもかっこよかったんですけど、個人的に一番のお気に入りシーンはミステリー全然関係ない26話の胸キュンシーンです♡
本当に超個人的な感想ですけど、26話の最後から三行目、キュンがはじけて止まらなかったです。あれはかっこいい。あれはイラストで表現したい。矢口沼来たわマジ。

最後の伏線回収はお見事でしたね!
読者に不審感を与えず、でもなんとなく記憶に残るように伏線を貼る手腕はさすがとしかいいようがありません。
この作品の山場である最後の謎の解決シーンでは、なんども「お〜、そういえばあのとき…!」って唸らされてしまいました。
作者の掌の上で転がされてる感がなんともたまりませんでした (@⌒ー⌒@)
これだからミステリーはやめられないのですよ、まったく!

さてさて、この作品のテーマは「優しさ」ですね。

「人には優しくしなさい」

こんなのは小さい頃に習うことで、大人になったらそんな説教されることはまずないですが、では大人はみんな「優しく」できているのでしょうか?
「おともだち」を叩いて怒られ、泣きじゃくっていた子どもの頃の自分は、目の前で怖い顔をして
「どうしておともだちを叩くの?優しくしなきゃダメでしょう。」
と諭す先生を見て、
おともだちを叩かずに仲良く遊ぶことが優しさなんだと理解したでしょうか。

その子が自分の作ったおしろを壊すような子でも、他の子を悲しませるようなひどいことを平気でいう子でも、ニコニコして手を取り合って、まるで嫌なことなんかなにもなかったかのように一緒に遊ぶことが優しさだと、そう思ったでしょうか。

では、大人になった「あなた」は?

「優しさ」って何だと思いますか?


主人公の矢口くんは、決して薔薇色とはいえない青春の日々の中で優しくあろうと努力し、その結果暗い記憶を引きずることになった男の子です。
そんな彼は、「優しさ」とは何なのかの答えを出せないまま、一人の少女を助けるために「修行」に付き合うことになります。
探偵役の彼が事件を解決していく動機には、「優しさ」という言葉が深く関わっていきます。

簡単な言葉だからこそ難しい。
人の数だけ解釈はあるべきです。

だから、最後に矢口くんが出した答えは、矢口くんだけのものですね。