皆が持つ不器用さ、それを愛しいと思えるミステリー作品。

単刀直入に言わせて頂くと、『とても大切だと思えることを振り返ることができる』作品です。

序章は、よくある日常の中に織り交ぜられた、くすっと笑える微笑ましい風景を楽しんでおりましたが、段々と、人の裏側、そして、人と人とのすれ違いを、痛感しました。

……こういうの、実際にあるんですよね。私も大勢の心が交じる『箱庭』に留まっている身なので、改めて意識しなければな、と。

人の『優しさ』は、具体的なベストアンサーが無く、一人一人の考えが答えになる。つまり、たった一人の勘違いすら、『優しさ』になってしまうんですよね。人間の優しさはお手製なので、擦れ合うことは珍しくない。

でも、自意識過剰でも、周りにとっての偽善でも、『優しさ』は変えられないと改めて感じました。

素敵なお話を、ありがとうございます!