第3曲目 トップシークレット!

ライブ後の握手会、ミユきゅんがワタシに気づいてパァッと笑う。


「あ!アスマさん。今日も来てくれたの!」


ワタシはケータイのメモ機能を開いて活字かつじを素早く打ち込む。


『はい、今日も来ちゃいました。今日のライブも最高でしたね(^^)』


見た目や体つきなら化粧けしょう衣装いしょうでどうにか誤魔化ごまかせるけど、変声期へんせいきを終えたバリバリの男声おとこごえは隠しようが無かった。


苦肉くにくさくで思いついたのがこの筆談作戦だ。


「私ホントに女性層のファンが少ないから、アスマさんが来てくれるととても嬉しいんだ♪」


キラキラの笑顔に思わずクラリとしてしまう。感無量かんむりょうとはまさにこの事。


『そんな風に言って貰えてワタシもとても嬉しいです♪ミユきゅんに会えるだけで幸せなのに、ワタシのこと覚えてくれるなんて、可愛い!』


「それは、いつもアスマさんが私に会いに来てくれるからだよ」


いつも会いに来てるから…か、ちょっと複雑な気分だな。


「ここ3ヶ月のライブいっつも来てくれてありがとうね」


『ファンとしてミユきゅんの可愛いを見逃みのがすわけにはいきませんから』


本当はユニット発足時ほっそくじから毎回来ている。


「ありがとう。でも無理しないでね?アスマさん高校生でしょ。私は中卒だから高校がどんな所かわからないけど大変?なんだよね。ルナちゃんが言ってたもん「忙しい!」って」


確かにとても忙しい。ライブの参加費は勿論アスマにはメイクや衣装代も必要になる。とてもお小遣いではまかなえないのでライブ以外の日はバイトでカツカツだ。


『確かに忙しいわね(´・ω・`)』


「もゥ、ホント無理しないでね!私アスマさんの事心配なんだから」


『心配してくれてありがとう(^-^)』


「えへへ、だってアスマさんは私の大事な数少ない“女性ファン”なんだもん♪」


こんなにワタシのを心配してくれているなんて…

ならワタシはこの笑顔の為に何としてでもワタシは女装という秘密トップシークレットを守り切らなくちゃならないんだ。


ワタシとミユきゅんのこのおかしな関係の発端ほったんは3ヶ月前にある…





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近況ノートに第2曲目に出てきた最高機密トップシークレットの歌詞載せてます。よかったら見てください(^^)


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