概要
地球から遠くなるたびに私達の距離は近くなってく
人との距離を感じる奏向、他人の言うことを聞かない遥香。ふたりがふとしたきっかけで、地球からシリウスまで家出旅を始めます。
「……ここじゃないどこかへ行きたい」
「なんだよ、それ。家出かよ。ださ」
「遥香に私の何がわかる!」
「いいよ、家出。つきあってあげる」
「なんでよ。別に遥香は……」
「どこ行く?」
「どこって……シリウス」
バイク→高速バス→チューブ列車→軌道エレベータ→小型宇宙船→惑星間航行貨物宇宙船→超光速……
と乗り物を乗り継ぎながら、地球を離れていきます。そのぶん、ふたりの距離は近づいて……。
カクヨム公式自主企画「百合小説」みかみてれん賞受賞作品!
「……ここじゃないどこかへ行きたい」
「なんだよ、それ。家出かよ。ださ」
「遥香に私の何がわかる!」
「いいよ、家出。つきあってあげる」
「なんでよ。別に遥香は……」
「どこ行く?」
「どこって……シリウス」
バイク→高速バス→チューブ列車→軌道エレベータ→小型宇宙船→惑星間航行貨物宇宙船→超光速……
と乗り物を乗り継ぎながら、地球を離れていきます。そのぶん、ふたりの距離は近づいて……。
カクヨム公式自主企画「百合小説」みかみてれん賞受賞作品!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!2080年でも、少女たちの恋はここに瞬いている。
短編を書く上で『テーマ』というのは便利なガイドだ。それは人物画を描く際のアタリにも似ている。すべてのシーンがテーマに沿った描かれ方をしていれば、物語は非常に読みやすいものとなる。たとえ突飛で荒々しい展開であっても、それがテーマに沿っていれば浮いた印象を与えることは少ない。
本作は、地球から父の待つ星へ向かう逃避行モノである。それでいて、骨子の通ったSFモノである。このお話を丁寧にやれば、同じ展開で少なくとも4万字はかかるだろう。(個人の意見です!)
それなのに一本の短編として高い完成度を誇っているのは、徐々に東京から遠ざかってゆくというその表現が、バッチリ行間を埋める役割を果たしているから…続きを読む