美しさとは儚く、またそれを求める心は残酷。
- ★★★ Excellent!!!
月下美人に恋をする蝙蝠。
それが何を指すのか、最後まで読んで意味がわかった、ないし逆転した瞬間に鳥肌が立ちました。
美しい物語です。
と同時に残酷な物語です。
誰かを思う気持ちというものは、強ければ強い程、そして思うように受け入れられなければないほど、その歪みは激烈なものとなるのでしょう。
その果てに発動するエゴイズムを見守る白い花は、一体人間の中に何を観るのでしょう。
ほんのわずかしかない開花の時に、彼女(月下美人)がふれた人間がこうだったというのは、悲劇かもしれません。