美しさとは儚く、またそれを求める心は残酷。

月下美人に恋をする蝙蝠。

それが何を指すのか、最後まで読んで意味がわかった、ないし逆転した瞬間に鳥肌が立ちました。

美しい物語です。
と同時に残酷な物語です。

誰かを思う気持ちというものは、強ければ強い程、そして思うように受け入れられなければないほど、その歪みは激烈なものとなるのでしょう。


その果てに発動するエゴイズムを見守る白い花は、一体人間の中に何を観るのでしょう。


ほんのわずかしかない開花の時に、彼女(月下美人)がふれた人間がこうだったというのは、悲劇かもしれません。

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