探偵は誰? 殺人なんて起きなくても、日常は事件や謎で満ちている!

ミステリーは「誰かが死んだり、不幸な思いをしたりするから苦手」「文章もストーリーも硬くて読むのが大変」。そんな思い込みはありませんか?
この小説は小学6年生の木林くんを主人公に、犯人ではなくて「探偵」を探す、逆転のミステリーです!
最初のお話では、主人公である木林くん自身が「犯人」です。木林くんの「犯行」の腕前もなかなかのものなのに、一体「探偵」はどのようにしてそれを見破ったのか? 「探偵」は誰なのか!?
犯行にも推理にも、思わず唸ってしまいました。
作品全体を流れる優しい雰囲気や、登場人物たちの交流、成長も素敵です。冒頭に挙げたような物語が苦手な方も安心して読むことができますし、人間ドラマが好きな方も楽しめると思います。

幼ければ幼いほど、身の回りには不思議がいっぱいで、「なぜ?なに?」を何にでも抱いていたように思います。何かに強く入れ込んだり、自分にはなかった視点、見えていなかった一面や奥行きに気づいて衝撃を受けたり。
そういった子どもらしさや小学6年生にとっての青春もすごく自然体に、可愛らしく描かれているなぁと感じました。

事件ごとにまとまったお話になっていて読みやすいですし、毎回新たな切り込み方でワンパターンにならず面白く読むことができます。
ミステリー好きさんにも、苦手という方にもオススメの一作です!