面白いです! 鳥への愛があふれています。

この作者さまは、大人気、オカメインコさんの飼育エッセイを執筆中である。

その読者は、すべからく、この作品を読むべきである。

ヒロイン(鳥)、ムルナが、とても愛らしいのである。
魔獣である。なんなら、敵を(弱いながらも)攻撃できたりするんだが、ほとんど、鳥。
拝読していて、頭のなかで、オカメインコさんのブルーな羽根が、ちらちらするのである。

愛らしく、クル…と鳴く。
喜ぶと、ぽわぽわ、と羽毛? をまわせる。
驚くと、ブワ、と翼をふくらませてみせる。
怒ったら、足で顔面キック!

そして、自分のことを「ワタシ」呼び。
人間には言葉は通じない。でも、仲間の魔獣、犬型、リス型には、言葉が通じ、念話のような会話をしているのだ。

そして、ムルナは、とある事で呪いをうけ、喉が異様に乾いてしまう。
それを心配そうに見守る、傭兵のテオドルが、良いっ!

これね、ファンタジーだから、良いんです。本当だったら、そんな呪いなんて、可哀想で見てられませんよ。

ムルナは、ヒロイン。

穏やかで健気な性格で、読者は「彼女」を応援せずにはいられないでしょう。
作者さまの鳥のエッセイを拝読した事のある読者さまなら、ムルナの魅力にメロメロになってしまうこと、間違いなし!

それだけでなく、登場人物、みな味があって、ある魔獣がからむ、甘く切ないラブロマンスも、少し描かれています。

一話めは、ちょっと地味な出だしかもしれません。
しかし、物語は面白く、虹霓石《こうげいせき》の謎、登場人物たちの過去、呪いがどうなるか……、読み進めていくと、読む手が止まらなくなり、あたたかな心の触れ合いに、じーんとしますよ!

おすすめです!

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