第15話
忘れじと 家人の去りた 庭先に 今年も咲いた 撫子の花
忘れないからと去っていった隣人の家の庭先に、今年も美しい桃色の撫子が咲いていた。
あの時、その撫子の花の話をしたあの時には、貴方との別れがこんなにも早くくるとは思いもしていなかった。
来年も撫子は咲くだろうか。再来年も、忘れずに咲くだろうか。
きっと花を見る度に思い出すだろう。君を。
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