第21話
月に似た 宵待草の 花びらの
淡き黄色に 月宿るらん
月が大地に落とした雫の様な、宵待草の花弁は淡い黄色である。今宵は空が曇り、月はどこにあるか分からない。見えない月は、今ここに、この花に落ちたのだろうか。
あの時、遠く離れた君は言ってくれた。自分達は同じ月を見ていると。
しかし。きっともう、君は同じ月を見ることはない。
想い出すこともないだろう。
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