そして時計は動き出す

人の心は柔らかい部分を持っている。それこそ大きく傷付けば、己の時計すらも止めてしまうほどに。
かつて親友を殺されて失った少女と、その少女が友達になりたかった生徒。そして取り巻く同世代の生徒たちに、おとなたち。
調べてみたらという言葉に従って事件を調べることにした彼女の辿り着いた先は。

高校生もまだ、難しい年頃ではあると思う。
子供よりは成長し、けれどおとなにもなりきらず。そしてやわらかな心を持っている。
この事件がなければ出会うことのなかった人々、向き合うことがなかったもの。
それでも主人公はきちんと逃げずに向き合い、真実まで辿り着くのです。

筆力ある文章で綴られる、心の物語。
時計はどのように凍り、そしてどのように動き出したのか?
ぜひご一読ください。

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