ホラーとミステリの美しき絡み合い

異種婚姻譚というものがある。
この作品を語ろうと思うのならば、このことばは必要だ。しかしながら私はこれのレビューを書く上で、どう書こうかを非常に悩んだ。

これは、ホラーである。
だって食われる。だって怖い。
これは、ミステリであり。
そこには謎がある。どうしてそうなったのかという根が、物語の土台にある。
それ故に何に触れてもネタバレになるようで、非常に悩むのである。

これに関わるのは、人間だけではない。
炎と水との人ならざるものも、やはり想いというものはある。

ホラーとミステリの中に、愛をひとさじ。それも、人と、人ならざるものとの。
そうして織り上げられたものがきっと、この作品になったのだろうと思うのだ。
ぜひご一読ください。