(外伝)【現代チート】怪我を治せる能力を得たけど、悪女が微笑んでいます
(外伝)【現代チート】怪我を治せる能力を得たけど、悪女が微笑んでいます
<外伝1>
僕は久しぶりに
僕は24歳になっていた。
「最近はどうかね?
「ええ順調ですよ。仕事もですけど娘のリンカも大きくなって問題は一応ありませんね」
「そうかね、それでイブキとはどうだね?二番目の子供は出来そうかね?」
「どうでしょう…最初は1回で出来ましたけど、次はあれから数年出来ていませんし分かりませんね」
「そうか…」
「これから話す事は私の考えてる思いだ。それについて
そんな出だしから話は始まった。
「今教団は
僕はとんでもない衝撃を受けたが話は続く。
「その言いにくいのだが君の妻のイブキには了承を貰った。後は君が了承をしてくれれば教団内で子作りをしても良い女性を集めるのだがどうだろうか」
僕はその言葉にどう反応していいのか分からなかった。
「突然の話で驚いたと思うが話を続ける。これには訳がある。君との間に生まれる子には能力が芽生える可能性があるのだ。かと言ってもし能力がなくてもしっかりとした大人まで育てる事は約束できる。それでどんな能力であれその力を使えば会社や教団は永遠に繁栄出来るのではないかと考えている。考えて欲しい」
その後僕はどうやって自宅まで帰ったか記憶がないほど考えていた。
それで夜になりイブキと話した。
「イブキは
イブキは無言で頷いた。
「どう思った?」
「正直に言えば最初は嫌だと思った。けど、
イブキはそう話はしたが顔は少し暗かった。
そして僕は一晩考えて答えを出した。
「イブキ僕は決めたよ。
「そっそう、良かった決心してくれて…」
イブキの顔は暗い。
「だけど、条件を付けようと思うんだ」
「条件?」
「そう、僕が良いと言ってずっとその子作りと言うのもおかしいと思うんだ。だから人数を決めて交渉は1回のみとするんだ。それなら1、2か月の間にすべてが終わるよね」
「それで子供が出来ても出来なくても終わりと言う事?」
「そう、それでいいんじゃないかな?自然の摂理にお任せで」
「そう言いながら
「そっそんな事ないよ。この方法はイブキを思っての事だよ。かと言って
「はいはい、それじゃあ私から
「ああ、頼むよ」
-
それから1か月後に顔合わせが行われた。
結局人数は10人に決定した。
今日より2か月以内に女性が指定する日、僕は子作りをする事になった。
僕は一人一人と会う事になった。
そして驚いた事にその中に見知った顔があったのだ。
「ヨウコなんで?」
「なんでって当然でしょ。私
僕は苦笑いしか出来なかったが、思いに答えられるように頑張ることにした。
他にはミチコやヨウコの姉のジュンナさんまでも居た。
他は教団で見た事のあるような人がチラホラいた。
それから2か月の間に僕は10人と子作りを行った。
一度きりだが一応時間的には15時頃から朝までと言う感じだ。
みんな魅力的な女性ばかりで正直に僕は役得だなと思った。
-
それから月日が流れた。
僕は30歳になった。
結局あの子作りで妊娠したのは二人だった。
一人目はヨウコだ。
僕は素直に彼女の願いが叶って良かったと思った。
子供は男の子だ。
二人目はなんとジュンナさんだった。
僕はやはり相性なのかなと思ったが、まあそれはご想像の相性だ。
子供は女の子だ。
二人共に能力はまだわからない。
ちなみにうちの子の能力も不明だ。
もしかしたら僕の想像通りに『ない』かもしれない。
今後どのように人生が展開していくかは分からいが、出来れば面白おかしく生きて来たいと思う。
<外伝2>
時は
「シグナルスキャン君、お父さんからおじいちゃんになった気分はどうかな?」
「
「ははは、まあ若いうちに孫が出来るのは良い事だよ。そう言えば聞いていなかったけど、
「俺はそうなのかと思っただけでしたが、ゆうこが満面の笑みで喜んで
「まあ、それを聞くと良い家庭に思えるのだけどね」
「そうですね」
「それで孫にはどれくらいの頻度で会っているのかね?」
「生まれた時は週1でしたが、最近は2~3週に一度ですね。当然孫にはシグナルスキャンを掛けて病気を鮮明に確認していますよ」
「親ばかじゃなくてジジバカとはね」
「いや、恥ずかしいですが否定派しませんよ。子供の時はそれほどでしたけれど、孫があれだけ可愛いとは思いませんでしたね」
「君は何でも買い与えそうで怖いよ」
「何でもはないですよ。まあ、たまにですけど一緒にデパートのおもちゃ売り場に出かけた時は、孫のリンカが指を指すものは全て購入している程度ですよ」
<外伝3>
私はイブキ。
娘が幼稚園に入ってから送り迎えは私が自ら自転車で行っている。
最初は車か幼稚園バスにしなさいと言われたけど断った。
私も小さいときに母親から自転車で送ってもらった記憶があるからだ。
最初は娘を後ろに乗せての二人乗りに苦労したけど、数年もやっていると最近は慣れたハンドルさばきと足漕ぎで快適に走らせている。
娘もだいぶおしゃべりが上手になって来て、私の最近の話合い手にもなっているくらいだ。
今日も娘を後ろに乗せて自転車を走らせる。
「リンカ、あと10回幼稚園行ったら卒業して次は小学生よ」
「うん、もう少しだからみんなといっぱい遊ぶよ」
「そうしなさい。友達もたくさん作ってね」
「友達はたくさんいるから」
「そっか」
そんな会話をしながら私は見通しの悪い交差点に差し掛かった時にリンカが叫んだ。
「ママ止まって!」
私はリンカの声で急ブレーキを掛ける。
その瞬間に私達の目の前を一時停止を無視した車が通り過ぎて行った。
もし、私がいつも通りに交差点に入っていれば二人共危なかった。
私は自転車を降りて娘のリンカの顔を見ながら話す。
「リンカありがとう。もう少しで車とぶつかっちゃう所だった」
「リンカえらい?」
「リンカえらいよ」
私はリンカの頭を撫でる。
「でもどおして車が来る事が分かったの?」
「ん~とねぇ、なんか見えたの」
「見えたの?」
「うん、自転車と車がぶつかった所が見えたの。だから止まってて言ったの」
私はリンカの言葉でどう言う意味かを理解した。
そしてリンカに話す。
「リンカ聞いて。今の事は人に言ってはダメよ」
「ダメなの?」
「そう、ママと二人だけの内緒にしようね」
「うん、わかった。内緒にする!」
「リンカはおりこうさんね。さあ、幼稚園に行きましょう」
私は何事もなかったように自転車を走らせた。
蔭から赤い着物を着た人と全身白い服を着た人が居る事に気が付かないままに。
<完>
全ての読者にソウルタッチ!
作者 まさひろ
【現代チート】怪我を治せる能力を得たけど、悪女が微笑んでいます まさひろ @masahiro0316
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