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サポート3小説「タコカイカイの話」

サポート3小説「タコカイカイの話」

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この小説はサポート用に上げたものです。
小説の誤字、脱字等は頭の中でそっと正確な文字へ脳内変換しお読みくださいwww。

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サポート3小説「タコカイカイの話」

時は良太(りょうた)がまだ5歳の時の話。

宗教団体オクトパス 教祖 タコカイカイは忙しい日々を送っていた。
宗教団体オクトパスの本部を東京から名古屋へと移してまだ数年しか経っておらず、本部は一応完成してはいたが見切り発車した感があり日々工事や修正を加えていた。
その度に金が必要となり仕方なしに東北にある大根畑の山を売却する事を決めた。
この山は10年ほど前に使用したキリその後はずっと放置してあった場所だ。
念の為に信者に大根の場所を掘って貰ったが、栄養価の高そうな土しか出てこなかったと報告を受けた。
それならばと言う事で売却に踏み切った。
もし、何か怪しい物でも出て来るならばやめようとは思っていたがホッと一安心だ。

東京より名古屋の方が土地が安くそこら変は良かったが、車がないと不便で仕方ないのが特徴の地域だ。
しかし車があれば何処へでも行けて駐車場には困らないのも事実だ。
私は移動手段があるなら是非に行ってみたい場所があった。
行ってみたいと言うよりも見て見たいと言った方がいい。

まず私が私だと分からないように変身をした。
見た目は普通の何処にでもいるおじさんになる事にした。
かつらを被り服装は派手でなく目立たない服にした。

私は信者に運転をお願いして少し名古屋市より外れた場所へ来ていた。
一角には敷地の広い住宅街がたくさんあり、少し離れた所には大きな公園があった。
私はその公園に車を停めてもらい歩いてその場所に行く事にした。

もちろん行く場所はシグナルスキャンとその妻の家だ。
二人の子供はそろそろ5歳になっている頃だ。
その子供が神託の子供かどうかもわからないが、一度はこの目で見ておきたいと思った。

私は公園から道路あるいて5分程の所に来ていた。
当然玄関から直接行く訳にも行かないので、裏へ周り庭に子供が居たらいいなと期待して行ったが残念ながら誰もいなかった。
しかし庭に面したリビングルームからはテレビの音が聞こえているので、もしかしたらと期待をして私は木々の中に潜む事にした。

時間がどれくらい経っただろうか、しばらくすると中から5歳位の男の子とどちらの祖母か分からないがおばあさんが出て来た。
おばあさんは庭に入って直ぐにある椅子へと腰かけて子供を見守っていた。
子供は庭に落ちている木の枝を拾いうと少し足早に棒を振り回しながら掛けていた。

「リョウタ走ったら転ぶからやめなさい」

子供の名前はリョウタと言うのか。私は初めてシグナルスキャンと妻の子の名前を知った。
正直に調べれば直ぐに分かったが私は調べる事はしなかった。神託は15年後と出ていたのでその時ではないと思ったからだ。

リョウタは走るを辞めて何かを見つけたのか、しゃがんで何かを見つめていたのだ。
祖母も後ろからリョウタを見つめていたのだが、疲れているのかウトウトとしていた。
私はリョウタが何を見つめているのか、この角度では見えなかったがそれは直ぐに判明した。

茂みから一匹の白猫が出て来たのだ。
白猫はゆっくりと歩きながらリョウタの元へやってきて少し手前で座り止まった。
リョウタも見つめいるだけで何かを使用とはしていない様子だった。

しばらくリョウタと白猫が見つめ合っていたが、白猫がふと立ち上がるとリョウタの方へ歩き出した。
私はそこで白猫の様子が少し変だと気づいた。
右後ろ脚をかばうようにあるいていたのだ、ひきづると言う程でもない少しの違和感だ。

私はこれから何が起こるのかドキドキしながら見ていた。
そして白猫がリョウタの所へ行くと一声ニヤァーと鳴き声を上げた。リョウタは頭を撫でるではなく体の方へ手を置いて、何かブツブツと言っていた。
そしてリョウタが突然尻もちをついて鳴き声を上げた瞬間に、白猫はその場から走って逃げたのだ。
リョウタの声でウトウトしていた祖母が起きてリョウタの方へ掛けて来た。
その時になぜだか偶然に祖母と私の目が合ってしまったのだ。

私は無我夢中でその場より走って逃げた。
祖母は大声を出してはいなさそうだったが、ここで捕まる訳にはいかない。
私は昔女性誘拐、監禁の罪で逮捕された経歴があるからだ。
その時は上手く無罪になったが、次も上手く行くとは限らないのだ。

私は公園まで戻り車へと乗り込むと直ぐに教団へと車を走らせた。
私は車の中でリョウタと猫はなんだったのかと考えを膨らませたが、残念ながら答えには至らなかった。

しかし一つだけわかった事があった。

リョウタは何かを持っている可能性があると言う事だけは確信出来たような気がした。
私は想定していたシナリオを前進させる事を決めた。

これは私にとっては掛けとなると思うが、占いと同じで当たるも外れるもあると言う事だ。
私は車の中で自分で肩の当たりを触る。
だいぶ凝って来たみたいだな…今日はどの信者に私の肩…いや…全身を揉ませようか、ゲスな考えをひたすら考えるのだった。

一報リョウタの家では覗き魔が出たと言う事で、目隠し用の柵を急遽庭に張り巡らせる事になったのだった。
災いがもうこの家の近くに来ていようとは思いも知らない鈴木家だった。

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作者 まさひろ

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