思うところ(どうでもいいのです(^_^;))))
ninjin
思うところ
「あ、どうも、おはようございます」
“満面の笑み”とまではいかないまでも、こちらとしては“そこそこ”で“それなり”の好意を含めた態度で挨拶をしたつもりだった。
ところが、である。
相手は一瞬戸惑うような、たじろぐような、それから不審そうな上目遣いで、聞き取れないくらい小さく「どうも」と会釈をするのだ。
・・・・・・・・
ああ、そうか。 そういうことか。
僕は笑いながら、右の掌で鼻と口を隠して見せた。
彼女は目を見開いて、笑顔になった。
◇
“LGBTQ”法案がどうしたこうしたって騒がれてるけど、どうなのよ?
そりゃあ差別は良くないと思うよ。
でもさ、「心が女性」だからって、女子更衣室に“精神的に女性”で“身体的には男性”が入ってきたら、女性は恐怖を覚えるよね、恐らく。
『女子更衣室を使いたい』と言いながら、その女性たちの覚える恐怖を理解できない時点で、それはやっぱり“男”なんだと、僕は思うのだけれど、どうなんだろう。
僕が間違っているのかな?
◇
もう随分と慣れてしまったけど、スーパーやコンビニでの『レジ袋、如何なさいますか?』ってやつ。
○次郎環境大臣が地球温暖化対策のために“石油製品はけしからん”って、そんなところから始まったみたいだけど、紙袋はOKとか、スプーンやフォークが木製になったり、紙のストローが提供されたり・・・
でもさぁ、ちょっと前まで、木や紙は“森林伐採するからけしからん”って論調が主流じゃなかったでしたっけ?
それからさ、「近い将来必ず枯渇するぅっ」って散々騒がれてた石油って、まだ枯渇してないよね?
どうなってるのさ?
◇
“オレオレ詐欺”、“押し込み強盗”、“闇バイト”
一体何なんだ?
◇
外国人技能実習生・・・?
日本人の働き手がいない?
人口減少、少子化だから?
安い労働力が欲しいだけでは?
そのためにコンサルタント(=ブローカー)が暗躍して法外な利益を得て・・・
それって、“人身売買”っていうやつだろっっっ
◇
ジャニーさん・・・。
まぁ、皆、薄々は知っていましたけどね・・・。
◇
プーチンっ、ええ加減にせいっ。
◇
「ああっ、おはようございますっ。すみません。全然気が付きませんでした」
少し申し訳なさそうに、それでもパッと開いた朝顔のような笑顔で挨拶をし直してくれる彼女に、改めて僕は微笑み返した。
「いやぁ、そりゃあそうですよね。今までマスクしてる格好でしか顔合わせたことないですものね。すみませんね、驚かせちゃったみたいで」
「いえ、あの、こちらこそ・・・」
悪い感じではない。
僕は直感を信じる。
「あの、良かったら、今日、お仕事の後、少しお時間いただけませんか? お茶、いえ、なんなら食事でもご一緒に、いかがですか?」
マスク越しだけれど、彼女が驚いた表情をしているのは解かる。
少し間があり・・・
失敗したか?
撃沈されたのか? 僕は?
「・・・ええっとぉ、なんて答えれば・・・」
きたーっっっ
「そっ、それは・・・×〇※△%@§ю・・・」
やっべぇ、噛んじまったよっ
僕は落ち着き払ったフリをして言い直す。
「それはですね、『yes』と言って頂けると、幸いなのですが・・・」
彼女はクスリと笑って「はい」と答えた。
「じゃ、じゃあ・・・」
いけね、また噛んじまったよ。
再度咳払いをして、
「じゃあ、仕事終わって、五時半に、ここで待ち合わせで。 ええっと、大丈夫ですか、五時半で?」
「はい」
「それじゃ、また後で」
僕は片手を挙げてビルのエントランスを後にして、14階のオフィスに上るため、エレベーターホールに向かって足取り軽く駆け出していた。
◇
プーチン?
ジャニーさん?
どうでもいいです。
LGBTQも地球温暖化も
もう、どうだっていいのです。
今日の仕事?
一番どうでもいいですね。
今夜は初デート。
何だかあの日以来くすんでいた世界が、一気に
そして僕は、この僕の狭い世界での愛と平和で、手いっぱいなのです。
悪しからず・・・(^_^;)))
おしまい
思うところ(どうでもいいのです(^_^;)))) ninjin @airumika
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます