エピローグ

怪談百物語生配信中

 えぇ、ご視聴中の皆様。


 そうそうたるメンバーでお送りしてまいりました、本日の『怪談百物語 生配信』。十時間に及ぶ配信にお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。


 本日は、通常のスタジオを抜け出して、神聖な御堂をお借りしての配信でございました。皆様には大変画像が暗く、また時折音声が乱れるなど、視聴しづらいこともあったかと思います。申し訳ありませんでした。


 怪談師の皆様も、本日は長時間に渡りお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました。ラスト一話の前に、カメラで皆様のお顔を撮影させていただきまして、改めてご紹介をしておきたいと思います。


 わたくしの隣から。


 元プロレスラーの城山田ロッキーさん。

 アイドル系怪談師リカちゃん。

 海外モノの怪談に定評があるエキゾチック怪談師モアイ像さん。

 怪談ラジオパーソナリティのDJ雫さん。

 かの有名な怪談レジェンド一番弟子である今中恐助さん。

 新宿で怪談居酒屋を経営している響さん。

 現役のお坊さんでもある大海原入道さん。

 白衣を着た、といっても今日は青い着物でご登場くださいました、リアルな病院系怪談を得意とするDr.ダマーさん。

 ドラァグクイーンの外見とは裏腹に古典的な怪談話を得意とするレディカカさん。

 そして最後は、声優業でも大活躍、甘々ボイスな怪談師、夢子さん。


 わたくしも合わせまして、以上十一名の怪談師で、『百物語』と銘打って、ここまで九十九話をお届けしてきたわけなのですが。

 


 えぇ、以前よりわたくし海蛍は、『百物語は降霊術なのか否か』ということを調査しておりまして、本日このような場を設けましたのも、実は、その検証をしたいと、強く強く思ったからなのでございます。


 勘の鋭い視聴者の皆様は、ここまでお話しいたしますと、お気づきになられたと思いますが——。


 実は、本日怪談師の皆様にお話ししていただきました怪談は、とある地域の、とある氏神様に纏わるお話でございました。とはいえ、時代も様々、怪談の舞台となった場所も様々。日本全国津々浦々の怪談話であったわけなのですが、元を辿れば、不思議なことに、ある氏神様に纏わるお話なので、ございます。


 もちろん、この会場で使わせていただいている御堂も、その氏神様に纏わる御堂でございます。


 さて、『百物語は降霊術なのか否か』についてですが、それを検証するためには、どうしても、百話目を話さなくては、ならない……。


 本日ご参加いただいた怪談師の皆様には、ご依頼する時からそのことはご了承を得ております。生配信でご視聴中の皆様は、各自のご判断で、このあとの、わたくしがお話しする百話目を、視聴するのか否か、を決めていただければ幸いでございます。危ないな、っと思った方は、どうぞここでご視聴を終えていただきましたら、と思います。


 今からわたくしがお話しいたします怪談は、最近仕入れた怪談でございまして、わたくしが百物語、一話目にお話しした『いけない儀式』、と、リンクしているということを、最初にお伝えしておきます。


 えぇ、荒ぶる日本海は、そのほとんどが、朝陽が昇らない海でございます。この場所は、日本海に面した場所に建っておりまして。


 夜が明けるには、まだはやい。


 それでは始めて参りましょう。

 怪談百物語、第百話。

 

黒蝶くろちょう舞う海で』





 —— 了 ——

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黒蝶舞う海で 和響 @kazuchiai

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