第11話 家族
「ただいま〜」
家に帰る
多分この時間だと家族は誰もいないだろう
「あ〜お帰り」
「え?姉さん?」
仕事だと思っていた家族が家にいたのでびっくりした
「そーだ、聞いてよ昨日さ、」
姉さんの愚痴が始まった
「夜帰ろうと思ったら警察に補導されそうになってさ」
姉さんと言っても、俺は姉さんと血が繋がっていない、
正確に言うと姉さんはお父さんの連れ子で俺は母さんの連れ子だ、その母さんと父さんは仕事の都合で海外に行っている
「結構な確率でされてるよね」
「そーなんだよ、そんな幼く見えるか?」
姉さんの年齢は確か25ぐらいだったと思う
だけどその幼く見える見た目のせいで夜に出かけると結構な頻度で警察に話しかけられるらしい
「そういえば、昨日帰ってこなかった?よね?」
あっ、
昨日連絡してない
「友達の家に泊まった」
「友達?、もしかして女?」
なんでそうなるのだろうか、
俺、男友達いないと思われてる?
まぁ少ないけど、
「うん、」
幼馴染なので特に隠す必要もないかと思い
正直に認める
「え?本当に?私という存在がありながら?
そういうこともしたんだ、へぇ、」
「ちょっと顔が、怖いよ……」
「どうせしたんでしょ、そこまで」
「そういうことはしてないよ、流石に」
「本当に?そっか、良かった、まだ残ってるんだ」
「というか、相手美鈴だよ?」
「あの、幼馴染の?」
「そうだよ、だから大丈夫だよ、多分」
「今日も美鈴ちゃんと?」
「そうそう、映画行ってきた」
「面白かった?」
「うん、結構すごかった」
俺はそう答えると今日のレシートの整理をする
「他はどっか行ったの?」
「うん、あ、レシート見る?」
「うん、見る見る」
俺は出したレシートを姉さんに手渡した
「あのさ」
レシートを見ていた姉さんに呼ばれる
声が少し怖いのだが何かあったのだろうか
「どうしたの?」
「これ、何?」
姉さんが持っていたのはホテルのレシートだった
お支払いは割り勘でしたのだがレシートはなぜか俺に渡されたのを忘れていた
「やっぱりそういうことしてるじゃん」
「してない、してないから」
俺はなぜ姉さんに必死になって自分が経験したことがないことを訴えているのだろうか
「私はしたことないのに」
「そうなの?」
急なカミングアウトに素で驚きの声が出た
身内贔屓抜いても姉さんはとても綺麗な方だと思う
姉さんと知り合いたくて俺に近づいてくる俺よりは年上の人も何人もいた、なのに無いの?
「そうだよ、気になるなら確認してみる?」
姉さんはそう言うと胸の前で指でピースを作り開いたり閉じたりしている
それが何を表すか知らないが知りたくないような気もする
「大丈夫です!失礼します」
俺はそう言うと2階にある自分の部屋に駆け込んだ
俺は何やってるんだろう、そういう疑問が頭の中をぐるぐるした
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