魔女と呼ばれた聖女

 正真正銘最後になるだろう時代へと時間移動すると、そこは今までと変わっていた。

 真っ先にセリスが気づいた大きな変化は、騎士団が第8まであること。

 セリスが知らない騎士団長が3人も存在していた。


 そして大きな変化は他にもあった。そんなことなかったのだが、この時代のセリスが何者かに襲撃されたことだ。

 しかも得体のしれない者をセリスは護衛にした。

 研究所の一つを潰し、カイル騎士団長と1戦交えたということはある。

 だがそれ以前からこの時代には変化が起きていたこともあり、セリスが研究所を1つ潰したから変わったというわけではない。

 そうなるとセリスは慎重にならざるを得なかった。

 もう時間を越えるほどの魔力を行使するのは不可能だと感覚的に理解している。

 この時代が最後のチャンスであるため失敗はできない。

 そのためセリスは、この時代の自分を死なせるわけにはいかなかった。

 この時代のセリスが死んだ場合、自分がどうなるのかわからないからだ。

 異物である自分が死んでも影響は小さいと考えたが、逆には自信を持てなかったのだ。

 そしてもしもの保険ということもある。

 もしかしたらこの時代のセリスがリリスを倒す可能性もなくはない。

 自分を守るというのもおかしな話であったが、セリスはいまさらという感じで魔法聖騎士学院に入学することに。


 容姿は魔力でごまかせる。攻撃などと違い魔力は他者に影響させることは基本的にできない。

 だがガイアの魔力は共通してすべての者が触れている魔力。

 自然と言い換えてもいい魔力であるため、見え方を少しだけ変化させるくらいのことは可能であった。

 セリス唯一気が進まなかったのが名前だ。


 もうこの世界にセリスを知る者はいない。いや、どの世界にもいやしない。

 唯一セリスであるというのが名前であった。

 だがこの時代のセリスと似ていて、名前も同じなんてことになればなにかに影響が出てしまう可能性もあり得る。



「名前くらいで……」



 そう言いながらも、イジったのは最後の一文字だけにしていた。





「セ、セリナ――さん」



 黒槍に触れたセリスが倒れる。今のセリスの状態は、ファノンがよく知る魔力暴走と似ていた。




 こうしてセリスは3日後に覚醒します。セリナは二人を空間転移させて逃がし、自身は魔法でサガの片腕を持っていって消えることに。

 そしてレイアやカイル団長など生き残った騎士たちはルーク騎士団の拠点に合流。

 そこでサガの配下となっている騎士団長が拠点に襲撃をかけてきます。

 その戦闘でセリスはセリナと同じ魔法を使うようになり、リリスの力を有しているサガとラストバトルへと突入。

 ラストバトルではレイアやエルザ、カイルは魔神との戦闘となり、ガイアの魔力を持つファノンとセリスがサガと戦うことになります。

 ですがセリスはまだ経験が少ないため、どうしてもセリナよりかは実力が一つ落ちるので苦戦することに。


 そして最後の最後、別空間にいたセリナが参戦することでこの戦いは終わります。

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》聖女と最強の護衛が世界を改変する《聖女を助けたら護衛することになり、学院で実力隠してたら不満に感じていたようだが、実は思っている以上に隠している 粋(スイ) @suikaku

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