王道を求めてたらオススメはできません。
あらゆる方向での邪道が乗車率140%くらいのマシマシです。
でもとにかく面白い!テンポが良いのと表現力が高いのかな、と思います。少なくとも私は作者さんの描き方大好きです。
癖になる感じの悪さと、アウトロー感。
メインの人物も100%今どきのチャラい系?怖い系?の兄ちゃん達メインなんですが、素行の悪さやひねくれっぷりが妙に解像度高くてハマります。
この楽しさなんか知ってる…煙草とか不良とかに心がときめいちゃう...厨二か!?となってのレビュータイトルです。
昔のチェーンとか羽根とか薄暗いだけではなく、チャラさ軽薄さに加えて今どきのオサレ感と残酷感もある、令和の大人が愉しい厨二小説ではないかと個人的には思います。
自分が若い頃に読んでたら影響が大きすぎて酷く拗らせてそうだなと思うので、適度な大人の方へおすすめしたい気持ち。
とにかく続きを楽しみにしています。
自分の話で申し訳ないですが…ザ・オタクみたいな人が苦手で正直見下してしまって。
好きな話題に対してだけ熱が入って周りを置いて早口で捲し立てて、都合が悪くなると黙るみたいな…なんですかね。とにかく嫌悪感がすごいんです!笑
それで存在を自分よりも遥か下に置いて見てました。
でも、この作品を呼んで、少し気持ちが変わりました。見下してる私も、主人公一向からしたら、きっとオタクくんたちとまとめて「その他大勢」なんだろうなあって。笑
主人公達がモブキャラへ放つ強烈な差別や虐め、その他非人道的な言動は、許されないことだろうに。何故だか納得してしまい味方をしたくなりました。
それと同時に、自分は現実でそこそこうまく行ってるはずなのに、思わず心の中で色々と言い訳をしたくなりました。笑
彼等は社会のゴミ屑のはずなのに、圧倒的に強者でかっこいい。カリスマ的な何かがある。そんなキャラクターを書ける…ではなく描ける作者さんの文才に賞賛の拍手!👏
これだけは言っておきたい。web小説に限らず、世の数多の作品で言えること。読む側は、文中の言動や思想を作者のものとごっちゃにしないよう気を付けてほしい。キャラクターがこう言っているから作者も同じ考え方だと決め付ける、それで炎上してしまう作家も多く居る。過激な思想を持つ主人公キャラクターと作者を同一視するな。
正しく伝えたい事を汲み取れ。この小説が伝えたい事なんて悪役カッコイイヨネだけなんだから最悪の描写しか出てこないに決まってるだろ。最悪の差別思想しか出てくるわけねえだろ。だいたいコモンくんみたいなんがこんなもん書けてたまるか。イジメの自覚がないやつがイジメの描写できるわけなかろ。ルッキズムに溢れてるのは小説内より現実のほうだし。
この小説はこれ良くないよダメだよってことを倫理観糸クズな主人公パーティーメンバーが全部やり尽くしていく最悪最低な内容です。
みんなも読んでいっしょに最悪な気分になろうな。
陽キャと簡単にまとめられている人たちは、でも、対人関係という戦いの痛みから逃げなかった人たちなんだと知ることができる物語です。
チートな能力があれば、美しさがあれば、自分だって対人関係は上手くやれた。
だって、『人を虐げる悪い人間』から私が攻撃されたのは、私の内面が善良だから。
だから、神様に才能と美貌を与えてもらって、それに私の『問題のない』内面が合わされば、周囲の人は私を受け入れて、私に優しくしてくれる。
そんな、『私は悪くないのに』という無意識の思い込みを暴いてくれます。
対人関係の戦いで受けた痛みに怯えて、対人関係を学ぶ努力を放棄したのは自分なのに。
あるいは、美しくなる努力を、賢くなる努力をしなかったのは自分なのに。
それらを神様から与えてもらい、全てが上手くいく物語は、確かに心を慰めてくれました。
けれどいくら似たような物語を読んでも、いつもどこかお腹が空いているような、そんな空虚感が消えませんでした。
この物語は、いわゆる陽キャやコミュ強と呼ばれる人々が、対人関係の中で同じように痛みを得て、けれど逃げずに戦った人たちなんだと教えてくれます。
怖くて目をそらし続けた、けれど、本当は一番するべきだった努力に気付かせてくれます。
ありがとうございます。この物語は、私に勇気をくれました。
端的に言えばそういうことをショック療法的に伝えてくれるのがこの作品の最も見逃せない価値だと思う。
少し作品の内容に触れると、ネット小説界隈の流行り物を「生々しいほどリアルに描かれたサイコパス成功者達」が完膚なきまでに蹴散らしていく作品です。
(余談ですが、作者さんのモテ男と陰キャ両方への解像度高すぎて、色々有益です。恋愛指南本とかビジネス書とか自己啓発本とか読むくらいならこの作品何度も読む方が100倍くらいは有益です。)
この作品を読むと、まず最初に『クソ長いタイトル』をみるとさぶいぼ立つようになります。
ただ、それはまだ第一段階で、第二段階として、
「そういう現実離れした超絶ご都合主義作品達を見ている俺ってなんなん?こんなん他人と分かち合うこともないし、なんか得になるん?そんな無駄なことやってられるほど余裕あるんか?」となります。
で、すぐに「こんなキショい妄想垂れ流し作品読んでるとか、自己啓発信者さん(笑)と変わらんくね?」となりしばらく憂鬱になります。
そうして、少し考えると「そもそも、ネット小説なんか見てる暇あるなら勉強するなり仕事頑張るなり人間関係よくする行動とるなりすべきだよな?なにのんきにきっしょい手段で現実逃避混じりの暇つぶししとるん?バカすぎじゃね、俺?」となります(笑)
このようにして、無駄にした時間の途方もない価値を思い返してため息つきながら、現実的な努力へと這い出すこととなります。
その目を覚ますというあまりにも大切な苦痛を与えてくれるのがこの作品の素晴らしいところです。(ようやく冒頭の結論に戻ってこれました)
・・・まあ、なんだ、クソ偉そうなレビュー書いてるけど、俺も辛い時は現実逃避しまくるし、努力し続けるって大変なのよくわかる。挫折も一度や二度じゃない。(両手でも足りんよ笑)
だから、そう遠くない内にまたこの作品に戻ってくるだろうし、お互い頑張ろうな。
いろいろ世知辛いけど、努力すら放棄したらもっと悪くなることだけは変わらんからさ・・・
※念の為のご注意
全てのネット小説の作者さんたちは供給側(仕事として商売してる側)なので、読んでるだけの俺より1億倍は偉いです。
特に人気の作品の作者さんは「需要を理解してそこに合わせた作品を書く」という成功者側のハイレベルなことをやっておられてる方々であり、この作品の主人公側に近い人たちです。(もちろん、人格面は別ですよ)
この小説じゃないと味わえない、ものすごいドラッグを嗅がされた気がする。これはいけない。もう戻れない。一度味わったら病みつきになってしまう。信じられない人は読んだら理解る。
多彩な語彙からなる美しき罵詈雑言やスピード感が素晴らしいストーリー展開、喉に小骨が引っ掛かるような想像力掻き立てる表現力、独特の後味の悪さが、グロテスクなのにロマンティックで耽美な絵画を見てるような、見たくないのに見てしまうそんな魅力がある。本当に嫌(褒めてます)
よく読む異世界転生は、悪役令嬢転生「死にたくないので婚約破棄したいのに~」系なので、今から二章が本当に怖い。今後悪役令嬢転生モノを読めない体になるかもしれない。こわい。
でもきっと読んでしまう。だってシンプルに面白い。面白すぎる。一話ずつ読むつもりだったのに一気見してしまうくらい面白い。読み終わったときは深夜二時だった。夢見は悪かった。今夜もきっと一話から読む。