芝蘭の友を追いかけて

魔性の口上が誘うのは、「ナツ」の物語。美しいピルエットを披露するも、彼女は身長の低さを悩んでいた。役者を目指すなら、身長があった方が損をしない。桜の幹に刻まれる印の位置を、ナツと一緒に溜息をつく。

身長を測る行為が、どこか荘厳な儀式のように感じられるのは作者さまの技量の高さゆえか。目を引く些細な会話や、大人になりゆく少女の心のゆらぎの、鮮やかな様子と言ったら!

ひたむきに思い焦がれた夢の先を刮目せよ!

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