読みやすさとよく練られたゲーム描写が魅力!


大学生の久野鈴也は同い年の恋人 大塚沙鳥と甘い半同棲生活を送っている。
しかし鈴谷は彼女から一度も「好き」を言われたことがない。
愛情表現の言葉を口にさせるべく、沙鳥にみかんゲームを仕掛けるところからこの物語は始まります。

キャプションには「ジャンルはラブコメデスゲーム!」とあり、ラブコメとデスゲームという珍しい取り合わせがこの作品の魅力のひとつです。
導入はラブコメにある1シーンのようですし、鈴也くんとさっちゃんのやりとりもラブコメ感があってニヤニヤできます。
そこだけ見るとあまり生死が関わるようにはあまり思えませんが、読んでいくうちに徐々に真剣さを増していきます。
登場人物たちの知力を尽くした熱いゲームを行われるのですが、その目まぐるしい展開に目が離せなくなります。
個人的には自己紹介ゲームが特に好きで、そのゲーム名からは想像もできなかった熱い駆け引きがめちゃくちゃツボでした。

また、その登場人物たちもとても魅力的で、読んでいてストレスがなく楽しめます。
ゲームという手段を用いてどんな目的を達成したいかがそれぞれ異なり、それらがぶつかり合うことでゲームの面白さを引き出しているところがとても秀逸だと思いました。
主人公の鈴也くんは、洞察力や知力など能力が桁違いに秀でている他の登場人物と戦っていくのですが、彼の持ち味は単純な能力ではなく別なところにあります。
その魅せ方がまたとても素晴らしい!
とてもかっこいい主人公だと思いました!
是非読んで確かめてみてください!

読みやすさとよく練られたゲーム描写が魅力の本作。
最後まであっという間に読んでしまえると思います。
とても面白かったです。
是非読んでほしいです!