切ないもふもふ

占い師のネネは死霊使いでもあり、亡くなった動物を降霊し、意思疎通を図ることができます。
彼女の詳しい生い立ちは、第2話の時点では明確にされていませんが、独白や台詞を読む限り、かなり壮絶な過去があるようです。

そんなネネの傍らには、いつも犬のノーチがいます。
この子がとっても可愛らしく、この子がいるだけで、ネネがどれだけ救われているのか、よく伝わってきます。
ネネもノーチもお互いを思い遣っているのが分かり、それだけで、動物好きとしては嬉しくなります。

そして、ネネとノーチを見守る魅力的なキャラクターの1人に、メイドのエルヴィラがいます。
少し厳しいところもあるエルヴィラですが、ネネのことを気にかけているのが分かり、彼女とネネの関係は家族のように見えます。
言葉を交わさずとも、ネネの心の内を理解している彼女は、ノーチ同様に、ネネの心の大切なところに立っているようです。

ストーリーはと言うと、死霊使いでもあるネネは、亡くなった動物と心を通わせることで、貴族社会の闇を垣間見ることになります。
その中で起こる様々な事件には、亡くなった犬や猫などの動物が現れ、亡くなった背景を知ると切なくなります。

また、事件の背景にある闇は、少なからずネネの過去と重なる部分があるのか、彼女は事件の度に消耗し傷ついていきます。
それでも、何ごとかを成そうとする彼女は、健気に映ります。

総じて、キャラクターの心情描写がうまく、読んでいて感情移入してしまう作品です。
特に動物の描写がかわいいため、思わず、もふもふしたくなります。

今後、ネネの過去がどのように明かされ、それが貴族社会の闇とどう関係していくのか。
続きが気になります。

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