天恵姫を巡る苦難を乗り越えるシンデレラ・ストーリー

パルネス男爵の令嬢・マナは、父の色恋沙汰の問題で、継母・義妹にいびられ、実の父すらも庇わない非道な扱いを受けています。
更には、魔術師として必要な精霊との契約できなかったことで「落ちこぼれ」の烙印すらつけられる始末。
そのせいで、彼女の性格は卑屈・疑心暗鬼・自己嫌悪へと発展してしまいます。

しかし、そんな彼女を救う存在がいました。最高ランク「黄金」の王宮魔術師・エレンです。
マナは前王妃殿下シャルロットの予言によって見いだされた、「天恵姫」でした。
全てのエレメンツを司る精霊達の母・精霊王、彼女と唯一契約できる少女こそ、マナだったのです!
それだけではなく、なんと、その天恵姫の伴侶となる人物も予言され、その人物こそエレンだったのです!

マナはパルネス男爵家から救い出され、天恵姫として最高の待遇で迎えられます。
しかし、暴力、嘲り、虐めに耐え、味方もいなかった彼女は、精神的に酷く怪我を負っており、エレンの言葉にも懐疑的でした。
一方のエレンは、マナに対して非常に気を遣い、彼女の傷を僅かながらでも癒やそうと努めます。

「あなたのことは僕が一生守り、愛します。それが、僕の生きる理由であり、唯一の希望なのですから」

聞いたら真っ赤になってしまうことを平気で言うほどに。
そんな彼にもマナに黙っている秘密がありました。それを伝えてしまったら、関係が壊れるのではと恐れるほどの。

そんな二人ですが、幾度となく交流を深め、言葉を交わし、心を交わしたことで少しずつ変わっていきます。
特に、マナがエレンの複雑に入り組んだ想いを受け止めた時、彼女ははじめて自分意志を持つようになります!!

マナとエレン。
お互いを認め合い、お互いを必要とし、共に歩みを進める中で変わっていく。

これは、そんなシンデレラ・ストーリー。

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