思春期の痛みを『装丁』でひもとく

本の内容と共に、装画、装丁をも味わい尽くす。
そんな渋い目を持つ女子高生シーナ先生。そして通学の電車内でその解説を聞く黒岩くん。
一冊ずつ紹介されていく本は実在の物なので、皆さまもご存じかと思います。
装丁を共に学び味わいつつ、次第に明らかになるシーナ先生の抱えた想い。そしてつながり戻る、プロローグの衝撃。

誰もが突き当たる、世の中の理不尽、苦しみを、謎解きのように追う物語です。

一見地味だと感じるかもしれませんが、着実に積み上がるエピソードを受け取ってみて下さい。
その先に突き抜ける、何かがあります。さわやかな読後感です。