愛を諦めなかった乙女の野望が動き出す!

朝廷に組する小国・緋の国の姫であるユキノ。
彼女はとても耳が良い。『風の民』と呼ばれる諜報のエキスパートの隠密すら暴いてしまうほどに。

自分を誰かの命令で監視する風の民・トウガに惹かれたユキノは、従属国の姫として大王へ献上される役割を拒否し続けてきたが、不作に増税が重なって、ついに腹を括る日がやってきてしまった。

生きる世界が違うと言い張るトウガに臆せず気持ちを告げるユキノの凛とした強さや聡明さに心奪われます。「これで最後」とトウガを呼び出すユキノの気持ちを思うと……。

「タイトル回収の本番はこれから!」というところで綺麗に完結している本作。ヒロインの賢さを十二分に描き、ここから始まるであろう波乱万丈な女王への道の期待感も高まります! 自然豊かな伊呂波の国々の描写も匂い立つようで素敵です。

賢く、凛々しく、健気。そんなヒロインをお求めの方、ぜひご一読ください!

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