第8話 いるのかいらないのか、プロット8~きっかけ

 10分運動でも続けるのは面倒だなと思い始めている作者です。

 第8回へようこそ。


 前回はオープニング・イメージとテーマの提示。

 セットアップについて書きました。


 今回は「きっかけ」についてです。


1・オープニング・イメージ(1)


2・テーマの提示(5)


3・セットアップ(5)


4・きっかけ(2)


「きっかけ」は言葉とおりなのですが、オープニング・イメージ、テーマの提示、セットアップで書いたことを覆す必要があります。


 平たく言うと「ぶっ壊す」


 ホントごめんね。

 壊さないといけないの。


 なぜなら人は「きっかけ」によって行動を変えるから。

 きっかけひとつで人生が決まったりもする。


 サマーウォーズの細田 守監督はジブリ受けていますし、エヴァンゲリオンの庵野監督はジブリに入社して、ナウシカで巨神兵の爆破シーンを任されています。


 わたしの場合ですと、中学生のころ声優になりたくてオーディション受けて合格しましたが、学校が東京で、かつ学費がとんでもない値段だったので、親が許してくれなく、


「じゃあ、別の形でアニメとかマンガに関わりたい」


 って同人誌を作るオタクへ走りました。

 高校生時代のバイトは印刷代と同人誌代で飛んでいました。高校を卒業したときは、真っ先に晴海埠頭(東京ビックサイトができる前)に遠征に行きました。

 サークル参加で。

 声優は諦めたけど、「表現することに関わりたい」というのは今も生きていて、こうして小説書いています。

 三つ子の魂百まで。


 閑話休題。

 だから「きっかけ」は次のステージへ進むための鍵であり、瞬間でなければならない。

 主人公は大嵐となる先の世界へ歩を進めることになるのです。

 

 カリオストロの城なら、クラリスが残した指輪。

 これによってルパンは過去を思い出し、「クラリスを救う」と決意を抱く。


「どっちに付く?」

「女ぁ!」


 というノリじゃなくなったのです。

 コミカルで楽しいノリを「壊して」「クラリスを救う」という使命を持って大嵐のなかへ飛び込んでいく。次元に打ち明ける形で、嵐のなかに飛び込むだけの背景を読者(観客)は知る。


 オープニング・イメージ(1)に対し、きっかけが(2)なのは、壊すことに対して「それはこうだから」という説明が必要だから。

 ルパンは次元に語ることで、その役目を果たしています。


 サマーウォーズなら、メールに数字の羅列が届き、解いてしまう。

 見ている方は「なに? その数字!?」ってなりますよ。


 その前に説明していることは、侘助さんが出てきたことで、それまでのほっこり路線を「ぶち壊して」います。


「厄介者がきたぞ」って暗雲立ち込める。


 お笑い、ほのぼのアニメじゃなくなる瞬間。

 ラストに必要な小道具と演出が出てきます。


 花札。


 てか、ここで示さないと「なんで花札なん?」ってラストでクエスチョンマークになりますから。

 そして、主人公は失恋確定案件になっている。それなのに、侘助さんとなつきちゃんが花札やっている横で、主人公は真面目にルールを読んでます。

 その後も、なつきちゃんは、主人公ほっぽらかしで侘助さんにベタベタ。


 なんか、もう気の毒すぎて「頑張れ……」って応援したくなりません?

「明日にでも帰ってええで?」と思ったり。

 そこへ謎の数字メールがきて解いてしまう。


「続きはどうなるの?」


 って気になるしかないです。


 壊すことでそれまでが変わり、主人公は望もうと、望むまいと嵐に飲まれていくんです。


 進撃の巨人だと地下室の鍵。


「ずっと秘密にしていた地下室を見せてやろう」


 もう、これだけで続き気になりますよね。

 海外のリアクション動画が好きで視聴するのですが、このシーンで、みんな、今後の予想とか言い始めます 笑。


「父親が帰ってこなくて、鍵だけがもどってくるんだ。それでエレンは旅に出るんだよ!」


 そんな夢のような物語じゃないと、すぐに知ることになるのですが……。

 もちろん鍵の答えを当てた方はいません。


 あんな答えが導き出せるか。

(すでに、重要な伏線も入っています)

 天才がすぎるよ諫山先生。

 当時23歳でこれをやるなんてアンビリバボーだよ。

 後世に語り継がれるお方だよ。


 そして、アルミンが、


「今日、壁が壊されれない保証なんてどこにもないのに……」


 発言して不穏になり、直後、爆発音。

 巨人が入ってきてカルラが食べられてしまう。


 何度視聴しても泣きたくなるというか、涙がぽろりと零れてしまいます。

 カルラの、


「行かないで……」


 って口を押さえるところです。

 あそこで、人は「心に触れる」

 物語の残酷さや、巨人が怖いという物語だけでなく、


「そこに生きる人」に「心を寄せて」見るようになる。


 カルラの一言がなければ、見る側(読者)との距離はもっと遠かったと思います。


「母親の理想像である美談」


 だけになっていて、「かあちゃん……」って胸が苦しくなることはなかった。



 上に上げた三作品でわかると思いますが、「きっかけ」は、


・その物語に共感する

・感情移入する

・謎を知りたくなる


 人が元来持っている弱さや、正義感、苦しみ、好奇心、恩義に訴えています。

 その気持ちは頭の知識ではなく、感情で「理解できる」こと。

 誰しもが、そういったなにかしらに触れているから「我がこと」のように感じられる、物語が身近になるのです。


「きっかけは」読者に

「その世界の伴奏者」になってもらうようなものなのです。


 だから、「きっかけ」はそれまでを「ぶっ壊す必要がある」

 壊してからが本番。

 伏線とか、入れておくところでもあります。


 指輪、数字のメール解読、地下室の鍵。

 全部、伏線です。

 鮮やかに回収しているでしょう。

 ただただ拍手。


 さて、ここまできてどうですか?

 なんとなく始めていたと自覚した方はいらっしゃるでしょうか。


 反対に、ここまで読者を引っ張ってくることができれば、固定読者は付いたも同然なので、更新すれば読んでもらえるし、♡も☆も付くでしょう。


 ただ、カクヨムさんの読者は登録しなくても読めるので、数が付かなくても仕方ない面もあります。


 そして、テレビでやる映画はこの辺りで一回目のCMを入れます。

 だって、もう気になっているからCMが細々入ろうが視聴するんですよ。

 そして、テレビ局側はクライマックスシーンなどの感情移入が爆発したときに水を差さないようCMは入れないようにしています。


 例えば、「鬼滅の刃 無限列車編」で、病床にいる煉獄さんのお母さんが出てきて、煉獄さんが心を燃やして戦い、自分の命が尽きそうなのに、炭次郎たちに、「君たちを信じる」という一連の途中にCM入ったら、とんでもないことになるってわかるでしょう。

 わたしがプロデューサーなら大クレーム回避に全力投球します。


 そういう訳で、前半にこだわる理由が少しわかってもらえたでしょうか。

 また、次回も読んで頂けたら嬉しいです。


 

 リアクション動画が気になったら、この言葉で検索をかけてください。


 【進撃の巨人 1期1話】初めてアニメを見る海外ニキネキと伝説のトラウマシーンに絶句する海外ニキネキ【日本語字幕】【海外の反応】

 反応の巨人【翻訳チャンネル】


 【海外の反応】進撃の巨人 - 1×01〈二千年後の君へ〉

  Lily&


 YouTubeにある日本語翻訳です。

 8分なのですぐ見終わります。

 海外の方は、自分の意見をはっきり言うので、人がどこに何を感じるのか、とてもよくわかるのです。

 わたしは小説に詰まったら見て、「都合よくしないぞ。人はどう感じる?」と自分に問いかけしています。


 ***** 推奨目的ではありません *****

 ***** 人の感情が「わかりやすい」という一参考です ****

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ぼっち気味作者が創作仲間と交流するために一念発起し交流をめざす~読まれるための攻略法、選考突破のテク、ときおり挫折 ✨羽田伊織 @hanedairoi

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