神々の世界のサスペンス

大釜を司る女神が忽然と消えた。大釜で作っていた魔薬をめぐり、逃げ出した少年を追っていった、というのが原因らしい。だが女神が戻らないまま9カ月。今度は女神の娘が姿を消した…。女神の城で何が起きたのか。そして二人組の冒険者の前に颯爽と現れた美女は何者か。二転三転する真相の行方。詳しい人なら要所でニヤリとしてしまう、ケルト神話から巧みに織り上げられた物語。神々の世界でこんなサスペンスってアリなのかと、引き込まれてしまう語りのスピード感。脳内で色鮮やかに映像化される、瑞々しい表現。神話の世界、冒険者の物語、息詰まるサスペンス、どれかひとつでも興味のある方にはオススメの1本。あまり長くないので、ちょっと時間をつくってイッキ読み推奨です。

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