甘い新婚生活はそれまでの苦労があってこそ成立する!

現時点で本作は作者様の「あらたまの恋 ぬばたまの夢 〜未玉之戀 烏玉乃夢〜」「三虎、吾が夫 〜遊行女の恋〜」に続く三部作の締めとなります。

本作だけ読んでも分かるように構成されていますが、できる限り上記二作を読んでからこちらを読むことを強く推奨します。
色々と深みが出ますし、人物関係がより鮮明に分かります。

登場人物はわずかに二人です。
花麻呂という上毛野衛士卯団に所属する男で少志に昇進したばかり、そしてその妻です。

本作で妻の名前は出てきません(上記二作を読めば、すぐに誰かは分かります)。

実は個人的なことを書くと、私が最も好きな登場人物です。
幸せになって欲しいと願って止まない彼女が描かれています。

いやもうね、本編でなぜ彼女が好いた男と一緒になれないのか、男はなぜ彼女を選ばないのだ、とさんざん作者様に訴えたのは今となってはご愛敬、当節は鬱陶しい限りだったかもしれません。

今風に言えば本命ではない男と一緒になった彼女ですが、やはり新婚生活は甘いものなのです。
末永く幸せになれよと、まるで父親感覚で見守ってしまいます。

ということで、花麻呂よ、死がふたりを分かつまで幸せにしないと絶対に許さんぞ!

是非とも本作を含めた三部作、読んでみてください!

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