復讐者の適性とは何か?


 どうしようもなく憎い奴がいる。

 社会的な死を選ばされた男は、元凶となった女への復讐を決意する。

【協力者】が語る復讐のセオリー、突然に訪れる絶好の機会。

 黒に満ちたサスペンス作品。



 この作品のニクい点として、スマートに男のバックヤードや心境を伝えているところがある。

 物語の中で、男の心境が台詞のような形式で描かれる場面があるのだが、
 その台詞は読んでいる自分が発していたかとすら思うほどだった。

 あと、作品全体が黒い。
 復讐がテーマなのだからそうなるのも自然かもしれないが、
 自然の暗さと黒の塗料が混じったかのような、何とも釈然としない終わりも印象的だった。