第6話 職業くらい好きに選ばせろよ!

受付のお姉さんがいるカウンターに並ぶ。


「次の方、どうぞ」


呼ばれたので前に行く。


「本日は何のご用でしょうか?」

「登録したいのですが」

「そうですか。それなら問題ありません。こちらの用紙に必要事項をお書きください」

「はい」


俺は渡された紙を見る。

名前、年齢、性別、種族、職業、固有技能、その他を書き込む欄があった。


「あの、固有技能というのは?」

「固有技能は持っている人が少ない特別な能力です」

「そうなんですか?」

「はい、持っていればそれだけで優遇されます」

「わかりました」

「わからないことがあれば、お聞き下さい」

「はい、ありがとうございます」


俺は必要な項目を埋めていく。

よし、書けた。


「これでいいですか?」

「はい、結構です」


俺は用紙を提出した。


「それでは、鑑定を行います。少しの間、目を閉じてください」


言われた通りに目を閉じる。

すると、何か暖かいものが流れ込んでくるような感覚になった。


「はい、もう大丈夫です」

「今のが鑑定なんですね?」

「はい、そうですよ」


凄いな! これがスキルの力なのか?


「次は俺だな!」


鮫島は張り切っている。


「ちょっと待てよ」

「なんだよ?」

「お前、職業はなんて書くつもりだ?」

「剣士だけど?」

「ふざけんな! ただの会社員が職業を剣士とか書けるわけないだろうが!」

「別に良いじゃねえか!」

「ダメに決まっているだろうが!」

「チッ……」

「舌打ちすんじゃねえ!」


まったく、こいつは……。


「俺が書いてやるから、お前は大人しくしていろよ!」

「わかったよ」

「それで、あなたは?」

「魔法使いでお願いします」

「はい、かしこまりました」


鮫島の分も埋める。


「はい、終わりましたよ」

「よし、行くぞ!」

「ああ!」

「頑張ってくださいね」

「はい!」


俺達は意気揚々とギルドを出た。


「まずは装備を整えましょう」


レオンが提案してきた。


「そうだな。武器屋と防具屋はどこかわかるか?」


俺は聞いた。


「案内しよう」


レオンが言うのでついて行った。


「ここだ」


着いたのは一軒の店だった。

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