第2話 俺達の異世界生活はこれからだ!
「嶋野さん、落ち着いてください」
愛奈が冷静に言う。
「これが落ち着けるか!」
「とりあえず、出ましょう」
愛奈は出口に向かった。
「ちょ、おい!」
俺は慌てて追いかけた。
外に出るとそこは異世界だった。
「どこだよここ?」
周りを見渡す。
大きな建物がある。
教会だろうか? その前に俺達はいるようだ。
俺たち以外にも人がいる。
「あー、勇者様方ですかな?」
白髪の老人が話しかけてきた。
「あの、あなたは?」
愛奈が質問する。
「申し遅れました。私はこの国の宰相をしている者でございます」
「ここはどこでしょうか?」
愛奈が聞く。
「我が国【アステリア王国】の王都にある教会でございます」
「私たち、帰れるんでしょうか?」
「はい、大丈夫ですよ」
よかった。
帰れないのかと思ったぜ。
「では早速、王様の元へご案内しますね」
こうして、俺達の異世界生活が始まった。
宰相のジイさんに連れられて王の間へ来た。
玉座には髭面のおっさんが座っていた。
こいつが国王だろう。
「ようこそ参った。余は国王のギムレット=アステリアである」
威厳のある声で名乗る。
「初めまして、私は福寿愛奈と言います」
「俺は嶋野瀧です」
「鮫島明です」
順番に自己紹介をする。
「さて、お主らに頼みたいことがある」
ギムレット王は真剣な表情で言う。
「私達にできることなら何でもやります!」
愛奈は張り切って答えた。
「実は魔王軍が攻めてきておるのだ」
「えぇ~!?」
「そんなことより帰してくださいよ!」
「ゲームさせろよ!」
「みんな落ち着いて!」
愛奈が場を収めようとする。
「ふむ、まずは話を聞いてほしい」
「はい、わかりました」
「うむ、今から百年前、我が先祖は魔王軍を打ち破った」
「それは凄いですね」
「うむ、だが奴らは諦めていなかった。そして、再び侵略を始めたのだ」
「それで、どうなったのですか?」
「うむ、十年前にまた現れた。今度は前回よりも多くの魔族を率いてな」
「大変じゃないですか!」
「そうだ! 大変なんだよ!」
俺は怒鳴る。
「嶋野さんはちょっと黙ってください」
愛奈に怒られた。
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