第5話 冒険者ギルドで挙動不審

「俺の固有技能が全部増えている!」

「そうですね」

「お前、何かしたか?」

「いいえ、何もしていません」

「嘘つくな! 絶対にお前の仕業だろうが!」

「違いますよ」

「いいや、お前しかいない!」

「はぁ……仕方ありませんね」


愛奈は呆れたように言った。


「私はあなたのナビゲーターとしてサポートします」

「ナビゲーターだと?」

「はい、私と会話ができます」

「それは便利だな」

「あと、私の言うことは絶対服従です」

「はぁ?」


こいつ何言ってんだ?


「ちなみに、逆らえば殺し合いになります」

「お前、頭おかしいんじゃないか?」

「おかしくないですよ」

「殺すとかありえないから」

「はい、でも従わなければ死にますよ」

「くっ……」

「それでは、よろしくお願いしますね」


こうして、俺達の冒険が始まった。

俺達は馬車を降りて街に入った。


「ようこそ! 商業都市【アストレア】へ!」


門番が挨拶してくれる。


「こんにちは」


俺も返す。


「勇者様方、こちらへどうぞ」


レオンが案内する。

俺達はレオンについて行った。


「この街は、商人が多く集まる場所なんです」


レオンが説明してくれた。


「だから、あんなに大きな壁で囲まれていたんですね」


愛奈が質問する。


「そうだよ。この辺りは魔物も多いし盗賊団もいる。魔物が街に入って来ないようにするためさ」

「なるほど~」


愛奈は感心している。


「ところで、冒険者ギルドってどこにあるんですか?」


愛奈が質問した。


「冒険者ギルドはこの道をまっすぐ行けば着くよ」

「ありがとうございます」

「いえいえ」


レオンにお礼を言う。

俺達は歩き出した。

しばらく歩くと、大きな建物が見えてきた。

あれかな? 俺は思った。

その通りだった。


「あれは冒険者ギルドだよ」


レオンが教えてくれる。


「おおー!」


俺達は感動していた。

ついに来たぜ! 異世界ファンタジー! テンション上がってきた!


「早く行こう!」


鮫島が急かす。


「わかっているよ!」


俺は答えた。

中に入ると、大勢の人で賑わっていた。

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