明〜金色の黒狼に愛されし少女〜

　猫の額と呼ばれる他者を寄せ付けない断崖絶壁の山にアケと言う名の少女が住む。見目麗しく利発な彼女は山菜を摘み、畑を耕し、魚を捕まえながら自給自足の日々を送っていた。
しかし、彼女は、遠く白蛇の国で姫として生まれながらもジャノメ姫と家族にも民にも蔑まれ、猫の額に鎮座する災厄の忌み名を持つ"金色の黒狼"に妻という名の生贄として捧げられたのだ。しかし、"金色の黒狼"ツキが彼女に送ったのは惜しまない愛情であった。
　これは誰からも愛されなかった少女が幸せになっていく話し。